第12話
「ねぇ、藍原さんって今好きな人いる?」
「え? いないけど」
答えながら首を傾げる。
なんでそんなこと──。
「じゃあ……」
すうっ、と吸い込まれた息。
雪平くんはそのまま、きゅっと口角を高く結んだ。
「俺、藍原さんのこと好きになってもいい?」
へ?
スキニナッテモイイ?
それって、つまり……。
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