第13話

「「きゃーーーーっ!」」



あたしが理解するより先に、悲鳴のような声が一斉に沸き起こった。



だって、ここは教室。


それもお昼休み真っ只中の。



「え、えっと、雪平くん……?」



怖くて見れないけど、自分が今注目の的になっていることだけははっきりわかる。



「ぐすっ、私の雪平くんが……」


「なーんか二人、怪しいと思ってたのよね〜」


「やっぱそうだよなー。イケメンには美人なんだよ……」



段々と騒がしくなっていく周囲。


だけど混乱状態極まりないあたしの耳にはもう、一切届かなかった。



ドッキリ?


それとも夢?


……や、違うよね。



「ちょっ、ちょっと待って。一旦落ち着いて──」


「だめ、かな?」



うぅっ。


かわいすぎる表情で見つめられては、どうにもできない。



「ダメ……ではない、けど」


「よっし」

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