第7話

「いただきます」



あたしと愛花、そして正面に雪平くんとその友達の山岡くん。


いつものように席に着いたあたしたちは、早速みんなで手を合わせた。



山岡くん──山岡やまおか 啓吾けいごくんは、雪平くんと同じ剣道部の男の子。


クールな性格で、背なんて161cmのあたしが見上げるくらい。



そんな彼は小さい頃からずっと剣道をやっているみたいで。


制服の上からでもわかるくらい、鍛えあげられた筋肉たちが身を隠せずに主張している。


……好青年タイプの雪平くんとは180度タイプの違う、いわゆる硬派なスポーツ系イケメンってとこね。



「……ん?」


「あっ、ううん、なんでも!」



いっけない、観察してたら目ぇ合っちゃった。


口早に返したあたしはごまかすべく、早速お弁当箱に手をかけた。


すると。



「わぁ、藍原さんのお弁当おいしそう」



パカッと蓋を開けると同時、雪平くんが食い入るようにそれを覗き込んだ。

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