第65話 開戦前!
確か国境まで、1日・2日の距離だったな、あの2人大丈夫かな!
「君は誰なんだ?」
突然おじさんが聞いてくるけど、どう答えよう。
「この方は此処のお店の主人で、マサシ様です」
俺の代わりにアーチが答えてくれる。
「商人さんか、強い護衛がいなければこんな所で商売は出来んな、本当に我が命を守ってくれて感謝する」
俺が見ていると、味方の兵士はウィルナが治療して、敵は他の者が蔦で縛り付ける。
薪を縛った残りを有効利用出来て良かった。
「さておじさん」
「あゝ私は国境警護隊の隊長で、ハルゲン少佐と言う、味方の怪我も治してくれてありがとう、それで悪いけど水を分けてくれないか喉が乾くのでな」
みんな、お店にお客さん案内ですよ!
そして先の方は明るくなっている、ま戦闘は続いているのかな?
「塀をすぐ作る、屋根の上で何人か警戒してくれ」
俺は店や家を事壁で繋いで一本の塀を完成させる。
屋根の上には男の冒険者達を配置、治した兵士さんも上で見守りしてもらう。
落ち着いた所で少佐に事情聴取する。
「いつもこの時期には、戦争があるんですか?」
「ハッキリ言ってここ5年は何も無かった、昼間見た時にも相手の砦に兵士はいなかったな」
「変わった事は無かったですか、ここは人が通るのが何人もいませんでしたけど、相手の国で出国制限とか?」
少佐は考える。
「そういえば、1日に1組だったな国境を通って行く奴は」
奴隷商のおじさんはラッキーだったし、布の商人は行かないだけラッキーだったんだね!
「煙って結構上がってませんでした?」
「あゝそれは野焼きだと言われた、麦畑の藁を燃やしているんだと」
「それって食事作っていたんでしょうね、少し離れた所で」
俺が言うと、あゝと言う顔をしている少佐。
「あれは敵の言葉を鵜呑みにした私のミスだな……」
「それでこの後どうしますか、逃げますそれとも砦に行きますか?」
「兵士がいない、このまま此処で王都と連絡しあうしか無いと思う」
勝手に此処を作戦本部にするらしいけど?
「なら砦は放棄するんですか?」
「あゝこの人数なら、どうあがいても全滅だ!行く意味は無い。体制を立て直してもう一度……もう一度のチャンスはないか」
少佐はそう言うとガッカリしている。
「アーチ、もし砦を貰ったらここを捨ててもいいかな」
「砦を貰うんですか?」
「いや戦争のドサクサでもらおうと思う、もう少し大きな家が欲しいと思ってね!」
アーチは俺の言葉にやれやれと言う表情、それを聞いていた少佐は。
「あの砦を奪回出来るのか?」
「奪回ではありませんよ、少佐が放棄して他国が勝手に取ったなら俺が取っても大丈夫でしょうと思っているんですよ、なんなら少佐は俺の部下になりますか?今なら3食付けますよ!」
「いやその話は考えさせてくれ」
少佐は考え込む、時間は無いからね!
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