第37話 裏に連れていかれる!
商業ギルドに戻った俺、さっきの受付嬢の前には他の人がいるので、違う受付嬢の前に行く。
「いらっしゃいませ、ええと隣に行かなくてよろしいのですか?」
ここって指名制度なの?
「ええと初めてきて、話しただけですよ、それよりもこれの買取をお願いします」
俺はカウンターの上に胡椒袋を置く。
「ええと何でしょう?」
「胡椒です、白い方の」
「白い方? まあ見せてください」
白胡椒って無いのかな、それでも受付嬢は中を覗く。
「待って下さいこれって高級」
言い終わる前に、隣の受付嬢に相談しに行く。
「先輩、S物件です、確認お願いします」
「何? 彼がS物件、彼は初心者よ、これから……うそ〜」
初めの受付嬢も中を見て確認してくれた。
「お客様、別室にお願いします」
俺は2人に連れられて奥の部屋に連れて行かれる。
「どうぞ座って下さい、あなたすぐお茶を持ってきてね」
「はいお持ちします!」
慌てて外に行くけど。
「後は、ギルマスも呼んで来てね!」
「はい了解しました」
そして今度は、完全に部屋を出て行く受付嬢B。
「それでお客様、この商品は売って頂けますのね?」
「ええ、なるべく高く買って下さいね、宿の支払がありますから」
「大丈夫ですよ、今ギルマスが来たら説明しますのでお待ちください、それとカードをもう一度見せていただけますか?」
俺はもう一度カードを渡すとあの石を出してカードを確認。
「やっぱりギルドランクFまだ入会したばかりよね?」
「どうかしましたか?」
「いえね……ギルマス来たら聞きますのでカードを預からせて下さい」
何か怪しい物でも写っているのかな、なんだろう?
少しして扉が開き人が2人入ってくる。
「はいお茶をお持ちしました、ギルマスもお願いします」
「私は書類で忙しいのだけれど、それでS商品てなんの事だ?」
受付嬢Aは、俺の袋をギルマスに差し出す。
「これか、中身は?」
「胡椒です、よく見て値段をつけて下さい」
「胡椒なら、標準瓶1つで金貨10枚だろう……なんじゃこりゃあー!」
袋の中を見て思わず叫ぶギルマス、胡椒が息で飛びますよ。
「なんて白い胡椒なんだ、殻が全然見当たらないな」
驚くギルマスに受付嬢Aは言ってくる。
「これ程白い物は王宮にも無いはずです、ただ出所を聞くのはマナー違反なんですけど、商業カードが少しおかしいので、マスター権限で、このカードを調べていただけませんか?」
「この胡椒が盗品?」
えぇ盗んで無いよ!
「そんな俺を盗人扱いするんですかね、此処の商業ギルドは! なら取引はしませんよ!」
俺は怒り出すと、受付嬢Aが言い訳をしてくる。
「大丈夫ですよ、胡椒は高額で買います、ただカードのおかしな所を直したいだけですよ、このカード何かありますよね!」
俺の心臓はドキドキ、あの事がバレたか、コイツ鑑定持ちか。
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