第34話 ギルドのテンプレ!

少しして、さっきの受付嬢が、話を伺いたいと薬師さんを連れて行く。

俺は1人テーブルに残り、周りを見渡している。


「オイオイお前今ガンつけただろう」

以下にも悪そうな顔でテーブルに座る3人組に声をかけられた。


「すいませんね、気にせずお酒を飲んでください」

「何を言ってやがる」

突然飲んでいたエールのジョッキを投げてくる、ガシャン陶器のジョッキが割れる。

木で作れば割れないのにな!


「お前俺達を舐めているんだろう、さっき聞いたら初心者なんだって!なんで先生と話しているんだよ、それに仲良くしてるし」

アレー嫉妬ですか?


「あゝそれはオークから助けただけです、そんなには仲良くはありませんよ」

「うるさい、貴様勝負だ!」

何故か戦う事になってしまった俺、確かに冒険者ギルドに入ると、テンプレで絡まれる設定があるけど、ここは3件目なんだけどな!


「分かりました外でやりましょう」

俺は受付に話に行く。


「俺のカードそこにありますか?」

前の受付嬢の机を指差す。

「貴方大丈夫、彼らCランクよ、それとカード……これね初心者!本当に大丈夫」

受付嬢さんは心配してくれるけど、とりあえずカードを受け取る。


「まあ、どうにかします、怪我させても平気なんですよね?」

傷害の確認、捕まったりはしたくないので。


「まあ決闘は日常茶飯事なので止めないけど、自分の治療費は自分持ちだからね、

それと流石に殺したら罪に問われるわよ」

手足を折るくらいなら大丈夫らしい、流石に殺しはダメらしいな!


「それじゃ行ってきます、入り口で待ってますし相手が」

外をちらみすると早くと手招きしている相手、受付嬢さんは。


「ギャラリーもいるわよ、みんなお酒が入って、面白がっているからね」

見せ物か、それは少し嫌だね……そうだそうしよう。


俺はある事を思いついて、外に出る。

「よしよし逃げなかったな、さあ勝負だ!」


前に2人後ろに1人、囲まれているね、ギルド前にはどっちが勝つかと賭け事も始まった。


「相手は3人なんだね?」

「ああそうさ、受けたのはお前だからな!ハハハ」

3対1それで勝って嬉しいのかな?


そこで俺はマジックバックからある物を取り出す、砂と風魔法を圧縮した物。


それを地面に叩きつける、魔法を圧縮した物は潰れて風を四方に、それと同時に砂が飛び散る、砂塵を地面から舞い上がらせる。


「なんだ見えんぞ」

「アイツは何処だ」

「誰かどうにかしろ」

砂塵が無くなった瞬間俺は消えている。


「何処に行ったんだアイツは?」

「見た奴はいるか?」

「よく分からんけど、影が門の方に動いた様だけどな?」

そうです、俺は砂塵煙幕で姿を隠して門まで移動魔法で一つ跳び、門番に身分証を見せて外に逃亡です、傷つけても殺しても恨みを買いそうなのでここでおさらばです。


また報酬をもらい損ねたね、まあ良いか!


ギルド前は少し混乱している、その騒動でギルマスと受付嬢、そして薬師の女性が出てきた。


他の受付嬢に話を聞いて、ギルマスは呆れるし、俺を受け付けてくれた受付嬢は怒り出し、それよりも薬師の女性の怒り方が半端では無くて、それをギルマスが宥める展開。


どうやらこの女性薬師さんが、冒険者ギルドにポーションや毒消しを卸している薬師の人だったみたいだ。


怒った薬師さんの命令で、その場にいた冒険者が村の隅々まで俺を見つける為に探して最後に門に行ったら、門番に俺が外に出て行ったと教えられる。


気不味きまずそうに報告してきた冒険者、怒りが収まらない薬師の女性は、1ヶ月は冒険者ギルドに薬を卸さないと言って家に帰ったそうだ!


可哀想なのは受付嬢と何も知らないギルマスだった。










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