第32話 新たな出会い!

追い出された俺は村から離れて、移動魔法で森を進んでいく。


移動魔法は便利だけど修正が難しく、いちいち地面に降りて方向を変える時間よりも進む事を考えていると、道から離れてどんどん森深く進むことになる。


途中で引き返すのも大変なので、気にせず進む事だけを考える。


そして草原森と突き抜けて行くと、夕方近くになって人の悲鳴が聞こえてくる。

「きゃー助けて」

女性の声のする方向に耳を澄ませて、近づいて行くとオークに襲われている女性を発見。


「今助けます」

そう言って、棒でオークの斧を持つ腕を叩く、すると斧は飛んでいき腕が折れた様だ。


女性の前に立ち、オークとの間に立ち塞がる。

「コイツ仕留めても良いんですか?」

「えぇお願い助けて」

俺はオークを頭から叩き、頭を変形させる。どうやら俺の棒が勝ったみたいだ。


「もう大丈夫だと思いますが、念のために首を落とします」

ナイフで首を刎ねる、そして確実にオークは死亡する。

またやな物を見てしまった。


後ろを振り向くと女性は、ホッとしている。


「本当にありがとう、もう死んだかと思いました」

女性は立ち上がり、俺に近づいてくる。


「まさかこんな所にオークが出るなんて思っても見なかったんです、私は薬師でただ薬草を摘みに来て、あれと出会ってしまって……」

まあ油断と不幸が重なったんですね!よくある事とは口に出して言えないけど、異世界アルアルだろう。


「この死骸はどうしますか?」

「あゝ悪いですが、俺解体できない体質なんで、放置しても良いですか?」

「ええとそれはあまり良くありませんね、他の魔物が集まりますので!」

それならば別の提案ををする。


「これって貴女が解体できますか?」

「ここでは出来ませんけど、村になら人ではありますよ」

それでも運ぶのには俺のアイテムBOXだと、小分けしないと入らないよな。


穴で埋めるか土を被せるしかないか!

「穴掘って埋めます、少し離れてください」

俺が言うと彼女は反対みたいだ。


「待ってください、小分けして持って行くことは出来ますか?」

「俺の体のサイズに分ければ、持って行けますけど」

マジックバックの容量を言いたくないので言わないけど、サイズは指定する。


「なら頭と手足を持って行ってください、胴体は私が持っていきます」

そして俺がナイフで一刀両断、手足と頭は俺が回収、胴体は彼女のマジックバックに収納。


「では村に案内します、付いて来てください」

俺は彼女の後をついて行く、どの辺だろうね?。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


メルハー村の代表者会議。

「この男をいつまでも村長にしておくの、村の新たな利益を全て無くして!」

「俺も今回は、女房に同意だ!奥さんは?」

「私も今回の事は流石に許せないわね!娘の言う事を100%信じて自分で何も調べないで罪なき者を処罰するなんてね!」

ギルマスが言って、宿屋のオヤジさんが更に賛成、残る村長の奥さんも賛成して、村長の首は風前の灯!


「ええと私が隣村に行っている時に何があったんですか?」

最後に村長の息子がみんなに聞いてくる、宿屋のオヤジさんがこの所のこの村の事を詳しく説明。


「全くオヤジと妹は何をしてくれたんだ、この村を守ってくれた英雄を追い出すなんて!」

「すまんまさか、娘が嘘をつくなんて思っても居なかったんでな、息子よ助けてくれる?」

村長の言葉に呆れる息子さん。


「全く当分は、村長権限を剥奪します、単なる門番として頑張って下さい!」

非情な言葉を村長に伝える息子さん。


「そんな、反省してるから村長の解任は待ってくれ、絶対に彼を見つけて謝るからさ」

やはりマサシを見つけられずに村に帰ってきた村長には、厳罰が降るのだった!


















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る