第22話 指名依頼!

隣の音より下の音だ! 昨夜は下で宴会でもしていたのか? いつまで経っても音は鳴り止まなかった。


それで少し寝坊して下に降りてくる。


「おじさんごめんまだ朝食ある?」

「あゝ昨日は悪かったな、ウサギ肉でみんな久し振りに盛り上がって、さっきまでこの騒ぎだよ、流石にみんな女房に連れて行かれて寝ないで仕事さハハハ」

「アンタもだよ、調子に乗って!」

背後から出て来たのは、隣の雑貨屋の女主人さん?


「はい朝食、結局坊やが持ってきたウサギ肉を平らげて、一晩で無くなったよ、これは確保してあったから良かったけど、昼なら無くなっていたね!」

良かったけど、もう肉は無くなったの?


「それなら肉を取ってきましょうか?」

すると女主人顔が明るくなる。


「いや君にお願いしようと思っていたけど、そう言ってくれたなら、それを食べたら隣に来てくれるか、話をしよう」


何やら深刻な話だろうか?取り敢えず朝食を食べる。


食べた後少し食休みして隣に行く、宿屋のおじさんは眠そうだ。


隣の扉を開けて、あいさつ。


「こんにちは、呼ばれてきましたよ!」

「わかっているから椅子にすわりなよ!」

女主人の前に椅子があり腰をかける。


「それで話ってなんですか?」

「君は冒険者か、又は商人のギルドとかに登録をしているかい?」

冒険者は初心者登録、商業ギルドもこの間登録したよな。


「冒険者は初心者登録してまして、商業ギルドも金貨10枚払って登録は完了しています!」

女主人は笑顔になる。


「なら依頼だ! それもギルドからの指名依頼を君に発注する。これは通常の依頼よりも得点が高くて金額も良いが、どうだろう受けてくれるか?」

「内容によりますけど、聞いてから返事で良いですか?」

少し考えて女主人は回答してくれる。


「そうだな、まずは通常依頼でツノ兎の討伐はあるけどこの村は、この所誰も冒険者が寄り付かずツノ兎が大量に繁殖しているんだ、君だって結構襲われただろう?」

浮いていたから気づかなかったのかツノ兎、それとも俺が探索魔法で逃げていたからかな?


「あまり気づきませんでしたけど、一杯いるんですか?」

「あゝ狩人が5人いるけど3人は怪我で休業、2人で頑張っても弓矢だと逃げられるみたいだ、アイツら耳がよくて矢の風切り音で避けるみたいなんだ。たまに集団でいる所を矢で射抜いていたけど、反撃食らって3人は休業だよ!」


俺もツノウサギに10回当たったら死んでしまう様な、紙のボディだから気をつけよう。

確かに集団で襲われたらツノ兎も危ない生物になるよね。


「そこで君の腕を買う、この依頼は畑にツノ兎が現れなく成ったら達成だ!100匹位狩れば達成出来ると思う、報酬はまず買取りを商業ギルドのカードで決算、税金が取られてもランクアップするのに少しでも手助けする。討伐報酬は冒険者ギルドのカードに入れるからそれも大丈夫だよ更に依頼料も増えるし、ギルドマスターの権限で、討伐終了後Eを通り越してF! もしそれ以上いたならば、Dランクまで上げてあげる。

Cになりたいなら宿屋の親父に試験で勝てば上げてあげられるけど!」

宿屋のあのおじさんに勝てばCランク?あのおじさんはどの位強いの?


「それは魅力的ですけど、あのオジサンのランクって?」

「元はBだよ、ただケガで引退した……と言う事になっている」

なんか間があったけど、なんだろう?


「それで受けるの受けないの! 宿も無料サービスするよ飯も付ける!」

俺は考えずに即決!

「はいやらせてもらいます」


俺の依頼を即決で受けた事にギルマスは笑顔。

「期間は1ヶ月、それ以上は失敗扱いだからね」


注意を受けたけど、俺は初クエストにワクワクする。

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