第20話 迷子はこうしてなる!

外壁の外に出ると視線は気にならなくなる。


恐らくは人がいないから、俺に見つかると思ってやめたのかもしれない。


そして俺は少し離れた所で、魔法の練習。


土魔法で棒は出来たけど槍は作っていない、それを作ろうとした理由は何故かと言うと女神様に貰った短剣とナイフの切れ味が良過ぎて、迂闊に出せなくなったからだ。


短剣を振れば、直径50cmの木を3本同時に胴切りするし、解体用に貰ったナイフでさえ、1本の木ならやはり切れてしまった、恐るべし天界仕様!


そこでそれとは違う物の制作に街中よりも外で試しに作る事にした。


最初は土玉と細目の木を少しづつ圧縮で繋げていき、先に着けた土玉を足したり削ったり槍の先を描きながら鋭くしていく。


失敗しても、圧縮で又継ぎ足していき、大きくなりすぎたら縮小を使い小さくしていく、すると黒光した短槍が完成する。


縮小する理由は圧縮では重量はそのままなのだけど、縮小する事により重量も軽くなる事が分かったからだ、そのままの圧縮だとかなりの重量で持てなくなるのでね。


出来た槍!俺の背丈程だけど試しに、身体強化して近くの木に投げたら見事に貫通。

ただその先の木に刺さって止まっていた。


遠くに投げるのはどうするか?弓でも作るかな。


そして試行錯誤してある事を思い出した、確か古代に投槍武器……アトラトルだったか?何処かで見たぞ! 思い出せ俺。


又土玉を作ってこねくり回す俺。

「確かこんな感じの、槍も後ろに窪みを作るんだっけな」

2度3度と繰り返し20回30回そして100回目の投擲で50m先の木を見事に貫通ついでに後ろの木に刺さり止まった!


「まだまだ練習が必要だけど、この武器は此処までで練習終了!今度は魔法だ」

この世界は移動は馬や馬車、もちろん車は無い!


想像魔法で移動か転移の魔法を考えよう。


先ずは転移、行った事のある場所、まず街の門を思い描くけど発動は無し、

近くの木を目標にしたけど、足に少しの違和感で近づく事も出来ない!


次は移動魔法を考える、右の石を左に……動いた1m位か!

もう少し行くかな……動く10m位動いた、しかしそれが最大だった。


次は自分を動かす、少し先の地面を目標にしたら、動いた先で地面とキスしていた。

視線で追ったらダメなのね!


今度は心で無詠唱……動いたみたいです!ただ足に草がついて来て動いた跡が丸わかりです、もし石などの障害物があったら転んでいそうですね?どうする。


一旦道に戻り確かめる、どうやっても足を引きずっているみたいだ。


更に試行錯誤、此処で浮遊魔法を考える、浮いたのはわずか30cmぐらいだ。

ただこれは人類にとって貴重な一歩だ!


更に唱えたけど、重さの関係かそれ以上は上に上がる事は無かった。


すぐに浮遊して移動と無詠唱で唱えると、10m位移動できた。

地面に着地したので少し足跡がある。


それならば浮遊移動浮遊移動と繰り返す、ついでに森の中にも突撃して浮遊移動を繰り替えすと辺りは真っ暗日が暮れていた。


目標を定めずただ前に走っていく、そして俺は見事に迷子になったとさ!






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