第18話 腹黒女!
石鹸の言葉を聞いてギルマスは少し考える。
「サマディ残りはあるの?有れば手を洗わせてね」
サマディさんは、机から木箱を出してギルマスに見せる。
「元々小さな物を貰ったので、それ程残っていませんけど、まだまだ手を洗うくらいは出来ますよ」
「なら洗って来ます、マサシ様少しお待ちください」
ギルマスは奥に行った、俺は無理矢理椅子に座らせられてギルマス待ち。
少しして手を布で拭くギルマスが戻って来る。
そして俺の前で、一礼して抱きついてくる、オイオイなんだよ!
「マサシ様、これをどれ程の値段で卸して貰えますの?何個在庫があります。サマディにプレゼントするくらいですから、かなりお持ちですよね!」
段々と膝の上に乗ってくるギルマス、俺は小さいので支えるのもやっとだ。
「まず離れて下さい、それから話をしませんか?」
ギルマスは今の状況を自分で確認、そして赤らめた顔で真面目俺の前に立つ。
「大変すいませんでした、私も寝ていないのでテンション上がってしまって!
だってこの石鹸の洗った後の肌触りと汚れの落ち方は感動です、もしかして全身に使えるんですか?」
俺は考えて伝える。
「肌が痒かったり、赤くなるなら使うのをやめて下さい、おそらくは天然素材で作ってますので、大半の方は使えると思いますよ、それと残りは10個です!後は材料が無いと出来ませんので」
此処は嘘を言っておく、早く解放されたいからね!
「はーあっ、10個ですか?それでは作るのにどれ程かかりますか?」
「村で作ったので、村に帰らないとその材料は分かりかねます、ですので作れないと思って下さい」
そうだ10個で終わりだからね!
「ではこれはこちらで買取して領主様に献上して王家に更に献上してもらいますか?
出所はダンジョンの奥の宝箱としましょう」
おおそれが何かが発見されて、それ以上出せない時の裏ワザですか参考になります!
「では又」
俺は尽かさず外に出る、キチンと石鹸を10個置いてね!
あゝ値段決めるのを忘れた……まあ良いか!戻りたく無いもんね。
「怪しい行動ね、恐らくは10個以上石鹸を持っているはず、誰か付けて行って!」俺が出ていくとギルマスは不信感からか、命令をする。
速攻でサマディが手を挙げるが、駄目な様だ。
「サマディはダメよ顔がバレているからね、それで他所でも石鹸を出したら連行して来て!」
遠くで見ていた男性職員が、手を挙げて外へと出て行った。
「では領主さんに持って行くのは5個で、残りは職員で分けましょう。誰かナイフで切ってくれる」
職員は喜ぶけど、サマディがギルマスに質問する。
「良いんですか、皆んなで分けてお代はどうしますか?」
当たり前の質問だ、マサシにはお金をまだ渡していない。
「大丈夫よ、領主様が払ってくれるからね」
「なんでですか?」
思わずギルマスの言葉に再度質問するサマディ?
「未知なる物を献上した報奨金よ、我々で試して人体実験もしたしね!領主様も安心して王様に献上するでしょうから、未知なるダンジョンの宝物としてね」
流石商業ギルドのギルマス、腹黒い女だ!
「さて仕事に戻って、彼が新たな石鹸をポロッと出すのを待ちましょう」
何処までも腹黒い商業ギルマスだね!
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