第14話 鑑定持ちは少ない様です!
兎にも角にも入って来てしまっては、俺の商品を隠す事は出来ない。
「このテーブルの上の白い物はなんだ?小麦粉と違う様だけど」
テーブルの上の瓶を見た薬師ギルマスが声を上げる。
「少し綺麗な色だな」
「酒でないならパスだ」
「俺も興味は無い」
その言葉を聞いた商業ギルマスは3人に言う。
「なら出ていけ、お前達に用はないんだから!」
怒る商業ギルマスに3人は考えて出て行こうとするが、薬師ギルマスの言葉で立ち止まりコチラをみる。
「なんだこの白いの、小麦粉と思ったら砂糖ではないか!こんなに綺麗な物はいつ入って来たんだ商業ギルマス!」
3人を睨むのをやめてコチラのテーブルに向かってくる商業ギルマス。
「彼が持ち込んだ物だ、その販売方法で少し揉めている!何故なら私が示した金額が高いから薬師ギルドでの買い取りは出来ないだろうと私は踏んでいる。私が示した金額は一瓶金貨7枚だ!」
舐めていた薬師ギルマスの手は止まり、後ろの3人も目を開いて驚いている。
「確かにこの砂糖は、色の白さと甘さに雑味無く凄い甘いな、それで金貨7枚なら少々高いと思うがな?」
もう1度瓶を手に取り、よく見る薬師ギルマス。
「その金額の価値が分からない薬師ギルドなら、彼との取引はしなくて良いな!」
まだ瓶を繁々と見ている薬師ギルマス。
「あゝ良い、折角呼んで貰ったが骨折り損だった。それにしてもその砂糖に金貨7枚か?商業ギルドも地に落ちたなハハハ」
そんな事を言って瓶をテーブルに置く薬師ギルマス、その瓶を再び持つ商業ギルマス。
4人は退出しようとするけど、商業ギルマスが余計な一言を言ってしまう。
「この素晴らしい砂糖をただの砂糖と思っているお前達薬師はもう廃業した方が良いぞ! 他所の薬師達に我々がこの砂糖を届けるからな」
その言葉に振り向く薬師ギルマス、その肩を冒険者ギルマスが止める。
「商業ギルマスの戯言だ、ただの白い砂糖だよ!」
その言葉に、商業ギルマスは言う。
「お前もギルマスを辞めて何処かに隠居した方が良いぞ!おい錬金術師ギルマス鑑定の道具は持っているよな」
その言葉に錬金術師ギルマスが、言ってくる。
「いつもの様に此処に有る、何を鑑定するんだ?まさかその砂糖か!」
商業ギルマスは新たな瓶を又出す、塩の方だ!
「これは塩だ、これとアレを鑑定してみろ、正し交渉は我が商業ギルドが担当するからな!お前達はその上に金額を乗せて我がギルドと交渉しろよ、当分は売らないけどね」
そんな事を言ったらみんな怒るよね!
「なら鑑定してやる、アンタは確か鑑定魔法を持っているけど、俺の魔道具の方が上だからな!」
そして錬金術師ギルマスは、両方を鑑定する。
そして体が震えて、商業ギルマスを見る。
「何だこの2つは!砂糖と塩なのに……」
口パクになってしまった錬金術師ギルマス、落ち着こうよ!
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