図書館ストーカー【検索】
ようやく繁忙期を越えて、
読みたい本がたくさん増えた。
引越しを控えていたので買うのもあれだ。
そうして私は在庫の有無を調べて
一つ隣の町までやってきた、図書館へと。
この列の4段目、あった。
ようやく読める。
最近出たばかりなのに有難いぞ。
その本を手に取る途端、
私ではない手が見えた。
その本は私と同じ本を目掛けていく。
「あ、どうぞ」
私は遠慮して彼にその本を譲った。
「あ、偶然ですね、いえ、どうぞ」
私は二度会釈をしたのち、カードを登録し、
図書館を出た。
先ほどから違和感が、視線だ。
誰だろ、
背後からのものだった。
先ほどの彼だ。
早歩き、逆恨みか?
私は足早に駐車場へ向かう。
階段まで?
私のものか?私に向けられたものなのか?
2階部分、彼はいない。
ふう、安心してアクセルを踏む。
二つ先の信号、後ろに違和感。
彼だ。
彼がまだ私を追っていた。
恐怖を感じた。
近くのコンビニエンスストアに
車を止めて様子を見る。
彼も車を横に停めてきた。
私は決死の覚悟をし、車を降り、
彼の元へ問いかけた。
「すいません、本渡しますので」
彼は窓を開けずにしばらく前を向いていた。
しばらく声をかけ続けていると、
彼の左手に刃物が見えた。
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