婦人服【検索】

私は地方の百貨店で働いている。

上の階の一角にあるとある店だ。

今日も上品な方々が店を出入りする。

私は来る客来る客に声をかけ、

似合ってますよ、と声をかける。

そうしてまた声をかけ続け、

愛想を振り撒くのだ。

特に今の仕事に対して不平不満もなく、

これといったクレーマーも存在しない。

ところがある日、貴重な客が来た。

男性だ、男性に声をかけられた。

しかしながらこの店は

婦人服のみを扱っている。

「ここで買ったんですけど」

彼が持っているのは確かに

店で扱っている商品だ。赤色のワンピース。

しかし、どういうことか?

代わりに来たということなのか?

不自然という単語だけが頭を駆け巡る。

「死んだ女が持っていました。

あの女、不良品でした」

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