第2話

「ミハイル!貴方はアイリスに何をしたの⁉︎」


俺は何が何だか分からずに立ち尽くしていると、母上が勢いよく扉を開け大声で叫んで部屋に入って来た。

何かしただと?愛しいアイリスに何かするわけがない!

あの美しいピンクゴールドのふわふわでやわやわで甘い匂いのする髪の毛に触りたいのを我慢して、長い睫毛にくりっとして大きな可愛い目にはアメジストの瞳が輝いている。その瞳に見つめられたら、白い絹肌にぷりぷりと膨らむピンクの唇に貪りつきたい衝動を抑えるのにどれだけ苦労していると思っている!

今すぐに結婚して屋敷に閉じ込めたい!俺の愛に溺れさせたい!あー!アイリスが愛しすぎてヤバイ!


「聞いているのミハイル!泣きそうな顔をしてたわよ!とうとう我慢出来なくて、襲ってないわよね!」

「母上!俺がどれだけ我慢してるか知っているでしょ!アイリスには初夜迄、一切手を出さない約束ですからね!」

「貴方の事だから、バレなきゃいいってキスぐら…い…、ミハイル…………。近くに寄りなさい」


母上はアセント帝国の第2皇女であり、建国以来随一の膨大な魔力の持ち主であり魔法の使い手なのだ。母上がいるお陰で帝国に魔物が現れないとも言われている程だ。

そんな母上に、眉間に皺を深く寄せながら怪訝な顔を俺を見ながら近くに寄れと言われ、途轍もない不安と恐怖に息が止まりそうになった。


「……母上。俺に何か?」

「う〜ん、よく見ないと分からないけれど。貴方、呪われてるわよ?」

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