第22話:そんな日の翌日
そんな凪の様子が変だなと思った翌日の朝。
「お、凪じゃん。おっすー」
「え? あ、あぁ、うん、おはよう、大樹……!」
「?」
俺は大学に向かう途中の通学路で凪と出会った。なので俺はいつも通りの感じで凪に挨拶をしていったんだけど……でも何故か凪は今日も顔を赤くしていた。
「どした? 今日も顔が赤いけど……もしかして風邪でも引いたか?」
「え!? 顔が赤い? ほ、本当に?」
「本当だよ。大丈夫か? 熱とかあったりするのか?」
「あ、う、ううん! 全然大丈夫! 大丈夫だから気にしないで!」
「そ、そっか? まぁ凪がそう言うなら気にしないけど」
凪は顔をぶんぶんと振りながらそう言ってきた。まぁそれだけ身体を機敏に動かせるようなら風邪とかではなさそうだし大丈夫そうだな。
という事で俺はそのまま凪と一緒に軽く雑談をしながら通学路を歩いて行った。
「あ、そうだ。そういえばさ、前にドライブに行く日をいつにするか電話で相談したじゃん? 結局ドライブに行くのは来月の頭で大丈夫そうか?」
「あ、う、うん! 来週の頭で大丈夫だよ!」
「そっかそっか。わかった。それじゃあ俺の方でレンタカーの予約しとくな。借りる車は何でも良いよな?」
「う、うん、わかった。もちろん車の種類は大樹に任せるよ」
「おう、了解ー」
という事で俺はそう言っていきながらスマホを取り出してレンタカーの貸出アプリを開いて予約を進めていった。
「はは、それにしても久々のドライブだからちょっとテンションが上がるなー!」
「う、うん、そうだね。あ、でもいつも大樹に運転ばかりさせちゃってごめんね。僕も免許を持ってたら良かったんだけど……」
「んー? あぁ、いいよいいよ。俺は運転好きだからさ。それにいつか女の子と二人きりでドライブデートとかする時があったらカッコ良く運転出来た方が良いだろ? だからその時のための練習になってるからありがたいよ」
「あはは、大樹は凄くポジティブな男の子だよね……って、あ……女の子と二人きり……ドライブデート……」
「ん? どうしたよ?」
俺がそんな事を言っていくと凪はまたちょっとだけ顔を赤くしながら固まっていった。
「え? あ、いや、何でもないよ。え、えっと、大樹もドライブデートとかしたいんだなーって思っただけだよ」
「あはは、そりゃあ思うに決まってるだろ。だって女の子とそんな事が出来たら最高じゃん? いやまぁ別にデート出来るならドライブじゃなくても何でもいいんだけど……って、あ、そうだ。そういえばちょっと凪に頼みたい事があるんだけどさ」
「うん? 僕に頼みたい事って?」
「あぁ、今度ドライブに行く時さ、アウトレットの服屋にちょっと立ち寄っても良いか? そんで俺の服を買うの手伝って貰えたら嬉しいんだけどさ……それお願いできないか?」
「え? 僕が大樹の服を? えっと、どうして?」
「いや、実は恥ずかしいんだけどさ……俺って今まで結構元カノに服とか見て貰ってたんだ。それで今年の冬服を全然買ってなくて困っててさ、それでちょっと凪に見て貰いたいなって思ったんだ。ほら、凪ってファッションセンスいいじゃん?」
「あ、な、なるほど。そういう事か。うん、良いよ。僕で良かったら見てあげるよ。って、あ、そうだ。それじゃあさ、僕からもちょっとお願いしたい事があるんだけど……ちょっとお願いを聞いてもらっても良いかな?」
「ん? 凪もお願いがあるのか? おう。何でも聞いてくれ。どうしたよ?」
凪が神妙な顔をしながらそんな事を言ってきたので俺はどうしたかと尋ね返していった。
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