第19話:新しく出来た男の子の友達と遊びに出かける(菜々美視点)

 とある休日の昼下がり。


「さっきの映画楽しかったね、ハル君!」

「はは、そうだね。菜々美ちゃんが楽しんでくれたようで良かったよ」


 今日は少し前に行った飲み会で知り合ったモデルのハル君と遊びに出かけていた。ハル君は私の一つ年上で背の高いスラっとしたイケメンの男の子だ。


(ふふん、やっぱり付き合うとしたらこういうイケメンの男の子しかあり得ないよね!)


 もちろんまだ知り合ったばかりだからお付き合いをしてるとかそういう訳じゃないんだけど、でも私を遊びに誘ってきてくれてるって事はハル君は私に脈があるって事よね!


 それならこのチャンスをしっかりとものにしなきゃだ。絶対にハル君とお付き合いまで発展させてやるぞ!


 という事で私はそんな事を思いながらハル君と手を繋ぎながら外を歩いて行った。


「それじゃあ次は何処にいこうか? あ、良かったらショッピングとかしない? 私に似合いそうな服とかハル君に選んでもらいたいなー!」

「うーん、そうだねぇ……それも楽しそうだけどさ、でもちょっと疲れちゃったし少し休まない?」

「うん、もちろん良いよ! あ、それじゃあここから近くに評価の高くてオススメのカフェが――」

「あぁ、いや、そういう休憩じゃなくてさ……ほら、ホテルで休みたいなって思ってさ」

「え?」


 ハル君は唐突にそんな事を言ってきた。あまりにも唐突過ぎたので私は困惑気味になりながらこう尋ねていった。


「え、えっと、いやホテルって……私達出会ってまだ数日だし、一緒に遊ぶのだって今日が初めてでしょ? だから流石にホテルに行くのはちょっと違うんじゃないかな?」

「え、駄目なの? どうして?」

「いや、どうしてって……普通に考えてこんな出会ってすぐにホテルに行くのは無理だよ。あ、でも今すぐに私を彼女にしてくれるっていうんなら、まぁそれなら別に良いけど」

「今すぐ彼女にするとかはちょっと難しいかなー。ほら、やっぱり身体の相性って大事じゃん? だからエッチを何回かしてみて相性が良いなって思えたら付き合おうよ?」

「は、はぁ? 何よそれ? それじゃあまるでセフレみたいな感じじゃん?」


 流石にちょっとイラッとしたので私はムッとした表情でそう言い返していってみた。するとハル君はキョトンとした表情をしながら私の事をジっと見つめてきた。


「うーん? 何だか聞いてた話と違うなぁ……?」

「? 話が違うって……どういう事よ?」

「いや、健人から聞いたんだけどさ、菜々美ちゃんってエッチが好きなんでしょ? だから菜々美ちゃんは誘ったらすぐにラブホに行けるって健人から教えて貰ったんだけどなぁ」

「は、はぁっ!?」


 私は健人とかいうクソ忌々しい名前を聞いてビックリとしてしまい大きな声を出してしまった。


「うわ、ビックリした。どうしたの菜々美ちゃん?」

「い、いや、健人って……アイツの事知ってるの!?」

「うん、そりゃあもちろん。モデル仲間だしね。よく飲み会とかもしてるし。それでアイツから菜々美ちゃんの話は沢山聞かせて貰ってたからね」

「わ、私の話? そ、それってどんな話よ?」

「菜々美ちゃんはエッチが凄く好きでどんなエッチでも好きなようにやらせてくれる最高の女だって。彼女とかは絶対にしてくれないようなド変態なエッチ行為も得意だって聞いてたからさ、それは是非とも相手をして貰いたいなって思って、それで菜々美ちゃんに声をかけてみたんだー」

「な……なっ!?」


 私はその話を聞いて驚愕としてしまった。あ、あのクソ野郎……私とのエッチ話をハル君にもしてたのかよ!?


(……って、いや!? ちょ、ちょっと待ってよ……?)


「え? あ、あのさ……もしかしてその私の話って……ハル君以外の男の子も知ってたりするの……?」

「あぁ、うん、もちろん! 俺達モデル仲間の間ではすっごい有名だよ! 菜々美ちゃんのエッチ話はよく健人から聞かされてたからさー!」

「は、はぁ!?」


 という事は私があのクソ野郎と関係を持ってしまったという黒歴史は既に他のモデルの男の子達にもバレてるって事じゃないか!? あ、あのクソ野郎……マジでふざけんなよ!!

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超絶美人な幼馴染の彼女が浮気しててもう完全に愛想が尽きたからさっさと別れて大学のめっちゃ仲良い男友達とウェーイしながら大学生活を謳歌していく話 tama @siratamak

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