第8話:タピオカミルクティーを飲みながら凪とノンビリと話していく

「お待たせしました。タピオカミルクティーです」

「はい、ありがとうございます」


 俺は注文したタピオカミルクティーを店員さんから受け取っていった。


「おー、これが噂のタピオカか。本当に黒くて丸っこい感じなんだなー」

「気になってたタピオカとようやく出会えて良かったね。それじゃああっちに公園があったはずだから、そこで飲んでいこうよ」

「あぁ、そうだな。よし、それじゃあ早速公園の方に行こうぜ」

「うん」


 流石に店の前でタピオカミルクティーを飲むのは他の並んでるお客さんの迷惑になると思ったので、俺達は近くにある公園に移動していく事にした。


 そしてそれから程なくして。


 目的地の公園に着いた俺達は近くにあるベンチに座りながら、早速手に持っていたタピオカミルクティーを飲んでいってみた。


「んく、んく……ぷはぁ。何だこれめっちゃ美味しいな! 黒糖の甘さが紅茶と凄くマッチしてるし、このモチモチ食感も堪らないな!」

「はは、大樹が凄く気に入ったようで何よりだよ。それだけ嬉しそうな顔をしてるって事はさぞかし美味しいんだろうね」

「あぁ、本当にめっちゃ美味しいよ! んく、んく……ぷはぁ。あ、それじゃあほら、凪も飲んでくれよ! マジで凄く美味しいぞ!」

「え? あ、あぁ、うん、ありがとう」


 俺はそう言いながらタピオカミルクティーを凪に手渡そうとしていった。


 すると凪は先ほどと同じくちょっとだけ動揺した感じになってたんだけど、でもすぐにいつもの調子に戻りながらタピオカミルクティーを受け取っていった。


 そして凪はそのまま俺の飲んでいたストローに口を付けてゆっくりとミルクティーを飲み始めていった。


「んく、んく……ぷは。うん、確かにこれは凄く美味しいね。僕が今まで飲んできたタピオカミルクティーの中でも一番美味しいかもしれないよ」

「そっかそっか、凪の口にも合ったようなら良かったよ! あ、凪も気にせずどんどんと飲んでいって良いからな?」

「え? あ、うん。わかった。それじゃあ御言葉に甘えて……んく、んく」


 俺がそう言うと凪は嬉しそうな表情でタピオカミルクティーをゴクゴクと飲んでいった。凪は本心から美味しいと思ってくれているようだ。


 そして俺はそんな嬉しそうにしてる凪の様子を見ていると何だかちょっと嬉しい気持ちにもなっていった。


(こうやって友達と美味しい物をシェアしたりするのも良い時間だよなぁ……って、そうだ!)


 その時俺はとある事を思いついたので、早速それを凪に言ってみる事にした。


「あ、そういえば凪って飲食に関して好き嫌いとかってあんまり無いんだっけか?」

「んく、んく……ぷはぁ。うん、そうだね。基本的に何でも食べれるよ?」

「そっかそっか。それじゃあさ、今度何か美味しそうなグルメ店とか調べて一緒に食べに行かないか? せっかくだしレンタカーを借りてドライブがてら美味しいもんを食べに出かけるとかどうかな?」


 俺はそんな提案を凪にしていってみた。


 俺は車の免許は持っている。菜々美とデートする時に車が運転出来た方が何かと便利だろうなって思って高校卒業したと同時に免許を取得したんだ。


(ま、でも結局菜々美とドライブデートなんてした事は一度も無かったけどさ)


 まぁでも運転自体はかなり好きだったから時々レンタカーを借りて凪とか友達を連れてドライブに行ったりする事があった。そして最近は全然ドライブに行けてなかったから久々にそんな提案をしてみた。


「おー、それは中々に面白そうな提案だね。そういえば大樹って車の運転上手だし、それならドライブがてらちょっと遠くへプチグルメ旅に行ったりするのも楽しそうだね」

「プチグルメ旅とか何だか楽しそうな響きだな。それじゃあ凪の食べたいグルメのお店とかあったらそこまでドライブで連れて行ってやるから気軽に言ってくれよな?」

「うーん、そうだね。あ、それならやっぱり……ふふ、一番食べたい物ならやっぱり僕の地元のご飯屋さんが良いかなぁ?」

「え? 凪の地元って……いやいや、それ大阪じゃんか。流石に片道500キロ近くのドライブは勘弁してくれよー」

「はは、もちろんわかってるよ。冗談だよ、冗談」


 実は凪の地元はこっちの方ではなく大阪出身なんだ。凪は高校時代までは大阪にいたんだけど、大学進学を機に関東に引越して来たんだ。


「冗談で助かったよ。だけどいつかは俺も大阪に行ってみたいな。やっぱり大阪って旨いもんが多そうだよな。それに観光する場所も沢山ありそうだから楽しそうだよなー」

「うん、そうだね。大樹の言う通り大阪は美味しい食べ物も楽しい観光地も沢山あるから、良かったらいつか大阪に遊びに来てみてよ」

「わかった。それじゃあその時の道案内は凪に頼むからな? 美味しい地元飯とか観光地とか色々と紹介してくれよな?」

「ふふ、もちろん。僕で良ければ幾らでも大阪案内してあげるよ。だから大阪に行く時はいつでも僕に頼ってね?」

「あぁ、もちろんだよ」


 そう言って凪はいつも通り柔和で優しいイケメンスマイルを浮かべていってくれた。本当に凪はいつでも優しくて良いヤツ過ぎるよな。


 そしてその後も俺達はベンチに座って楽しく雑談をしながらノンビリと過ごしていった。

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