第4話:凪と楽しく話していく
という事で俺は気軽な感じで凪にそんな事を尋ねていってみた。
「うーん、大樹に祝って貰えるのは嬉しいけど、でも残念ながら僕は今までお付き合いをした事とかは一度もないんだよ」
「へぇ、そうなのか? それは何だか意外だな。てっきり女子達からモテモテだから恋人とか普通にいるのかと思ったけど、でもそういうわけじゃないんだな」
すると意外にも凪はまだ誰ともお付き合いをした事がないらしい。こんなにも見た目も性格も超絶イケメンなのにそれはちょっと意外な感じがした。
「うん。まぁ確かに沢山の女の子から声はかけられるけど、でも僕は誰彼構わず付き合いたいとは思わないからね」
「まぁそりゃそうだよな。それじゃあさ、凪はどんな人と付き合いたいとか願望みたいなのは何かあるのか? 好きなタイプというか条件というかさ」
「えっ? う、うーん、どんな人と付き合いたいかぁ……まぁベタかもしれないけど、気軽に何でも話せるような仲の良い友達から恋人に発展させていきたいかな。やっぱり良く知らない人とはお付き合いは出来ないしね。相手の人となりを十分に知って……この人とならずっと一緒にいたいなって思える人が僕にとっての理想の付き合いたい人かな」
凪はちょっとだけ恥ずかしそうにしながら、そんな付き合うための条件を教えてくれた。
俺はその話を聞いて深く何度も頷いていった。
「ふむふむ、なるほど。凪の恋愛観はそんな感じなんだなー」
「……まぁ、やっぱり僕には似合わないよね? 流石に自分でもちょっと少女漫画の見過ぎっぽい感じがするし」
「うん? いや全然そんな事ないだろ。ってかそんな恥ずかしがる事じゃねぇよ」
「え?」
「だって相手の中身をちゃんと深く知ろうとするのはすっごく大切な事だと思うし、付き合うためにはかなり重要な事だって俺も思うぞ。だからそんな自虐っぽい感じで笑わなくていいだろ。俺は凪のそういう恋愛観は凄くリスペクトするよ」
「……うん、ありがと、大樹」
「おうよ。まぁでも凪も今は恋人がいないって事だし、お互いフリーで暇な時間も多いと思うからさ……それじゃあこれからしばらくは一緒に沢山遊んでいこうぜ!」
「うん、もちろん良いよ。それじゃあ早速何か遊びに行きたい所とかあったら教えてよ」
凪は笑みを浮かべながら俺の行ってみたい所を尋ねてきてくれた。やっぱり優しいヤツだよな。
という事で俺は凪の優しさに感謝しつつ、早速何処か行きたい場所が無いかを考えていってみた。
「うーん、そうだなー……あ、そうだ! それじゃあせっかく彼女と別れてフリーになった事だし、俺はガールズバーみたいな所とかクラブみたいな所行ってみたいなー」
「え? ガールズバー? クラブ?」
「そうそう。今まで彼女がいたからそういう所には一度も行った事が無かったんだけどさ、でも周り友達は飲み会終わりの二次会とか三次会で結構そういう所に行ってるらしいんだよ」
「へぇ、そうなんだ? それは僕は初耳だね」
「あれ? そうなんだ? あ、もしかして凪はそういう所には一度も行った事ない感じか?」
「うん、そうだね。僕は基本的に飲み会は一次会ですぐに帰っちゃうからさ」
「あぁ、そういえばそうだったな」
そういやサークルとか友達同士の飲み会がある時は基本的に俺と凪はいつも一次会で帰ってたっけ。でもそういう事ならせっかくだし……。
「それじゃあさ、せっかく俺達は今どっちもフリーなわけだし、今度そういう大人のお姉さん達と楽しく遊べるバーとかに行ってみないか? ほら、大人の社会見学的な感じでどうよ?」
という事で俺はそんな提案を凪にしていってみた。
まぁそういう場所に行ってみれば男友達との飲み会の時に鉄板の話のネタになるだろうし、人生経験として一度は行ってみるのもアリだよな。
あと単純に今まで傍若無人な彼女とずっと一緒だったから、俺の話を何でも肯定しながら沢山聞いてくれる優しいお姉さんと話がしたいという邪な気持ちも若干あるけどな。
それに凪も男だしそういう場所に興味あるだろうなと思って、俺はそんな提案を凪にしていってみたんだ。でも……。
「うーん……まぁ確かにそういう所は面白いのかもしれないけど、でも大樹にはそういう所に行くのはちょっと早いんじゃないかな?」
「え? そ、そうかな?」
でも凪は予想に反して渋い表情を浮かべながら俺に向かってそんな事を言ってきた。
「うん、そうだよ。それにそう言う大人の遊び場は社会人になってからでもいつでも行けるでしょ? それなら今はそういう所に遊びに行くよりも、学生の間に出来る遊びをしていった方がお得じゃないかな?」
「あー、なるほど。まぁ確かにそう言われるとそうだよな」
「うん。そうだよね。あとは単純にだけど、大樹がそういう所に遊びに行ってるって大学の女の子達にバレちゃったら……ふふ、きっと女の子達からモテなくなっちゃうよ? 最悪の場合はムッツリスケベってレッテルが貼られちゃうかもね?」
「えっ!? い、いやそれだけは絶対に嫌なんだけど!?」
でも確かにそういう所に遊びに行ってるって思われたら、女子達からスケベ野郎のレッテルを貼られるに決まってるよなぁ……いやそれだけは絶対に嫌過ぎるわ!
「あはは、だよね? だからそういう大人な遊びは社会人になってからする事にしてさ……大学生活中は僕と一緒に健全に楽しく遊ぼうよ?」
「あぁ、そうだな。ま、凪と一緒なら何をしても楽しいし、これからも一緒に楽しく遊んでいこうぜ」
「うん、もちろん。あ、それじゃあせっかくだし近い内に飲みにでも行かない? ほら、大樹は最近あんまり飲みに行けてなかったでしょ?」
「おー、それは嬉しい提案だな! あぁ、もちろん良いよ。それじゃあ飲みに行く日にちも今の内にさっさと決めちゃおうぜ?」
「うん、わかったよ。えぇっと、それじゃあ僕の空いてる日にちだけど……」
という事で俺は凪と飲みに行く予定を立てていきながら、その後も凪と一緒にベンチに座りながらノンビリと過ごしていった。
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