第15話 ジャッカルのいたずら
泉で喉を潤し、たっぷりと休息を取ったシンちゃん、キラちゃん、そしてサンドフィッシュは、また元気いっぱいに砂漠の旅を続けていました。次はどんな冒険が待っているのかと胸を高鳴らせていると、遠くから何かがぴょんぴょんと跳ねて近づいてくるのが見えました。
その姿は、スリムで素早く動くジャッカルでした。ジャッカルはシンちゃんたちに気づくと、にやりとした表情を浮かべ、すぐ近くまでやってきました。
「やあ、旅の者たち。君たち、こんな砂漠の奥まで来るなんて勇気があるねぇ!」と、ジャッカルが軽やかに声をかけました。
「こんにちは、私たちはシンちゃん、キラちゃん、そしてサンドフィッシュ!砂漠を冒険しているんだよ!」とシンちゃんが自己紹介しました。
「へぇ、そうなんだ!でも、砂漠にはたくさんの罠やトリックがあることを忘れないほうがいいよ。特に、いたずら好きのジャッカルに出会った時はね!」とジャッカルがいたずらっぽくウインクしました。
その瞬間、キラちゃんは「まさか、あなたがそのジャッカル?」と少し不安そうに聞きましたが、ジャッカルはにやにや笑いながら「さぁ、どうかな?」と肩をすくめました。
すると、ジャッカルは急に走り出し、三人の持っている荷物をパッと奪い取り、砂の上に投げました。「捕まえてごらん!」と言いながら、ジャッカルは素早く荷物を持ってぴょんぴょんと跳ね回り始めたのです。
「あっ!返してよ!」とキラちゃんが叫び、シンちゃんとサンドフィッシュも一緒になって追いかけますが、ジャッカルは砂の上を軽やかに駆け回り、三人はなかなか追いつけません。
「こっちだよ〜、ほらほら、捕まえられるかな?」とジャッカルは笑いながらさらに遠くへ逃げていきます。
「くぅ〜、なんて速いんだ!」とサンドフィッシュが息を切らしながら言いましたが、シンちゃんは冷静に「きっと、ジャッカルを追いかけるだけじゃなく、何か作戦を立てないと捕まえられないよ」と考えました。
そこでシンちゃんは、キラちゃんとサンドフィッシュに耳打ちをして、ささやかな作戦を立てました。
シンちゃんがジャッカルに向かって、「ジャッカルさん、あなたの速さにはかなわないよ。さすが砂漠のスピードスターだね!」とほめたたえると、ジャッカルは得意げな表情になり、少し油断した様子です。
その瞬間、キラちゃんがジャッカルの背後に回り、サンドフィッシュも横から回り込んで、見事にジャッカルを取り囲みました。「今だ!」と三人が声を合わせて叫ぶと、ジャッカルは驚いて立ち止まりました。
「やられた!君たち、なかなかやるね!」とジャッカルは笑いながらシンちゃんたちに荷物を返しました。「いたずらに付き合ってくれてありがとう。君たちのおかげで楽しい時間が過ごせたよ!」
シンちゃんも笑いながら「ジャッカルさん、あなたのスピードにはびっくりしたけど、私たちも楽しめたよ。ありがとう!」と答えました。
ジャッカルはにこやかにうなずき、「また砂漠のどこかで会おう。次はもっと難しいいたずらを用意して待ってるよ!」とウインクして、砂漠の彼方へと姿を消していきました。
三人はほっと息をつき、荷物を確かめてから再び歩き始めました。いたずら好きのジャッカルとの追いかけっこもまた、楽しい思い出として彼らの心に残りました。次はどんな試練や仲間に出会うのか、三人は期待を胸に砂漠の道を進んでいくのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます