第16話 黄金の砂の丘
ジャッカルのいたずらに振り回されたものの、無事に荷物を取り戻したシンちゃん、キラちゃん、そしてサンドフィッシュは、再び砂漠の冒険を続けていました。太陽が少し傾き始め、柔らかなオレンジ色の光が砂丘を包んでいます。
すると、遠くの方に、まるで金色に輝くような砂丘が見えてきました。
「見て!あの砂丘、まるで黄金みたいに光ってるよ!」とシンちゃんが驚いて指を差しました。
「本当だ!もしかして何か特別なものがあるんじゃない?」とキラちゃんもワクワクした表情で言います。
サンドフィッシュも「よし、行ってみよう!あそこはきっと何か面白いものが待っている気がする!」と興奮気味です。
三人は金色に輝く砂丘を目指して歩き始めました。近づくにつれて、その砂丘はさらに美しく、まるで宝石のようにきらめいています。
砂丘の頂上にたどり着くと、そこにはさらに驚くべき光景が広がっていました。砂の中に小さな金色の粒が混ざっており、夕日の光を受けて輝きながら風に吹かれて舞い上がっているのです。まるで空から黄金の粉が降り注いでいるかのような幻想的な景色です。
「わぁ、すごい…!ここって、本当に宝物のような場所だね!」とシンちゃんが目を輝かせます。
キラちゃんは、手のひらに舞い降りてきた金色の砂粒を見つめながら、「こんなに綺麗な砂、初めて見た!」と感動しています。
すると、どこからか優しい声が聞こえてきました。「この砂丘は『黄金の砂の丘』と呼ばれ、長い年月をかけてできた、砂漠の宝物なんだよ」
驚いて振り返ると、そこには砂の精霊が現れていました。その精霊は、砂の粒でできた体に金色の光が混ざり、まるで砂漠そのものが生きているかのようです。
「あなたがこの砂丘を守っているの?」とシンちゃんが尋ねると、精霊はうなずいて言いました。「そう、この砂丘は砂漠の恵みであり、旅人たちがその美しさを見つけたとき、喜びと勇気をもらえる場所なのです」
「僕たちも、ここでとても勇気をもらったよ!」とサンドフィッシュが笑顔で答えました。
精霊は三人を見て微笑み、「君たちがこの砂丘の美しさを知り、心に刻んでくれたことを嬉しく思います。この黄金の砂粒は、君たちの旅に幸運を運ぶお守りとして持って行っても良いよ」と言いました。
三人は精霊に感謝を伝え、手のひらに少しだけ金色の砂粒を受け取りました。その砂粒は、太陽の光を浴びて輝き、まるで小さな宝石のように見えます。
「ありがとう、砂の精霊さん!この砂粒、大切にするね!」とシンちゃんが言うと、精霊は静かにうなずき、「どうか、これからも君たちの旅が安全で楽しいものでありますように」と祈りの言葉を贈りました。
精霊はそっと風に溶け込むように消え、再び砂丘は静寂に包まれました。
三人は手のひらの砂粒を見つめながら、その美しい景色と精霊との出会いを心に刻みました。そして、次なる目的地を目指して歩き出しました。
黄金の砂粒をお守りとして持った三人の冒険は、ますます力強く、そして希望に満ちあふれて続いていきます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます