第14話 水の泉を求めて

谷の迷路を無事に抜け出し、砂漠の守護者からの砂のお守りを手にしたシンちゃん、キラちゃん、そしてサンドフィッシュ。彼らの心には新たな勇気と自信が満ちあふれていました。


しかし、次の目的地に向かう中で、徐々に水が尽きてきてしまいました。砂漠の太陽はじりじりと三人を照りつけ、喉はカラカラに乾いています。


「シンちゃん、お水がもうほとんどないよ…」とキラちゃんが不安そうに言います。


「うん、少し分け合って飲んだけど、あと少ししか残ってないね」とシンちゃんも心配そうに水筒を見つめました。


「僕たち、どこかに水があるといいんだけど…」とサンドフィッシュも弱気になりかけていましたが、そこでシンちゃんが思い出したように言いました。「ねえ、あの砂漠の市場で聞いた噂、覚えてる?水の泉がどこかにあるって話!」


キラちゃんとサンドフィッシュも思い出して顔を上げました。「そうだ!市場で誰かが言ってた、水が湧き出る泉の話!」


三人はその噂を頼りに、泉を見つけることを目指して歩き始めました。砂漠の奥深くへと進むにつれ、道はますます厳しくなりますが、泉の希望を胸に抱いて、彼らは一歩一歩を力強く進みます。


数時間が経ち、足も疲れてきた頃、遠くにキラリと光るものが見えました。「あれって、水かも!」とキラちゃんが目を輝かせます。


三人はその光る場所に向かって急いで走りました。しかし、近づいてみると、それはやはり蜃気楼で、そこに水はありませんでした。


「また蜃気楼か…」とがっかりする三人。しかし、シンちゃんは「きっと泉はどこかにあるよ!諦めないで進もう!」と笑顔で励ましました。


そのとき、不思議な音が風に乗って聞こえてきました。水が流れるような、静かなせせらぎの音です。三人は耳を澄ませ、その音のする方向へ歩き始めました。


しばらく進むと、砂丘の陰に小さな泉があり、そこから澄んだ水が湧き出ています!「やった!本物の泉だ!」とキラちゃんが大喜びで叫びました。


三人は喜び勇んで泉に駆け寄り、冷たい水を手ですくって飲みました。その冷たさと美味しさに、喉の渇きも体の疲れも一瞬で吹き飛んだようです。


「砂漠の中でこんなにおいしい水を飲めるなんて、夢みたいだね」とシンちゃんが目を細めて言いました。


サンドフィッシュも「本当に見つかってよかった!僕たちの忍耐が報われたね」と嬉しそうに言いました。


泉の周りには小さな花や草が生えていて、そこに集まる虫や小さな動物たちも、まるで三人を歓迎しているようでした。三人はしばらく泉のそばで休み、ゆっくりと体力を回復させました。


「この泉を見つけたのも、諦めずに信じて進んだからだよね!」とキラちゃんがにっこりと微笑みました。


シンちゃんも「うん、忍耐と信じる心があれば、きっとどんな困難も乗り越えられるんだよ」とうなずきました。


たっぷりと水を補給し、三人は泉を後にしました。新たなエネルギーを胸に、次の冒険へと歩き出したシンちゃんたちの旅は、ますます輝きを増して続いていくのでした。

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