第2話 蜃気楼のオアシス
砂漠の旅を始めたシンちゃんとキラちゃん。初日の途中で蜃気楼に騙されたものの、二人はめげずに次なるオアシスを目指して歩き続けました。
太陽がさらに高く昇り、砂漠の熱気はどんどん強くなっていきます。「あっつーい!お水が欲しいよ〜!」キラちゃんが足をバタバタさせながら言いました。
シンちゃんも汗をぬぐいながら、「そうだね…早く本物のオアシスが見つかるといいな」と空を見上げました。すると、またしても遠くに青く輝く水面が見えるではありませんか!
「今度こそ本物のオアシスかも!」と、シンちゃんが期待を込めて言いました。
キラちゃんも「絶対そうだよ!」と元気いっぱいで、二人はその光に向かって全速力で駆け出しました。砂の上を必死に走り、どんどんオアシスに近づいていく二人。でも、走っても走ってもなかなかたどり着きません。
「おかしいなぁ、全然近づかないよ…」と息を切らしながらキラちゃんが言うと、シンちゃんも「うーん、また蜃気楼かもね…」と少しがっかり。
そのとき、どこからか声が聞こえてきました。「はははっ、また蜃気楼に騙されちゃったかい?」
驚いて振り向くと、そこにはラクダが一匹、のんびりと草をはんでいました。「あ、あなたは…?」シンちゃんが尋ねると、ラクダはペロリと舌を出しながら答えました。「俺はペロペロ君さ。お前たちみたいに、蜃気楼に騙されて走ってくる旅人をよく見るんだよ。面白いから見てたんだペロ。」
「えーっ、見てたの?」キラちゃんは少し恥ずかしそうに頬を赤らめました。
ペロペロ君はにこやかにうなずき、「でも、蜃気楼に騙されるのも砂漠の醍醐味さペロ。オアシスが見つかるときは、もっとふわっと気持ちのいい空気が流れてくるから、覚えておきなよ」とアドバイスしてくれました。
「なるほど!」シンちゃんはペロペロ君の話に感心し、「ありがとう、ペロペロ君!次こそ本物のオアシスにたどり着いてみせるよ!」と笑顔で言いました。
ペロペロ君はゆったりとした調子で、「そうそう、その意気だペロ。砂漠の道は長いけど、焦らずに楽しむことが一番さ」と、最後にウインクしてくれました。
こうして新しい知恵と友達を得たシンちゃんとキラちゃんは、蜃気楼に惑わされることなく、のんびりと砂漠を進むことを決意します。これから何が待ち受けているのかワクワクしながら、二人は笑顔でペロペロ君に別れを告げ、また歩き始めました。
砂漠の広がる景色の中、二人の冒険はまだまだ始まったばかりです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます