何気ない日常の中に「天使」が現れる――そんな幻想的な始まりからは予想がつかないほど、繊細でリアリティがある作品。
主人公である一翔の心理描写が巧みで、共感する箇所も多々あったことから気付けば作品の世界観にのめり込んでいた。
また、一翔の目を通して語られる世界は、私たちが存在する世界と何ら変わりはないはずなのに、多くの事実を気付かせてくれる。ネタバレは伏せるが、現代社会において言いたいことを全て詰め込んでくれたような価値観や倫理観。
そこに「天使」が存在することで作品の深みがより一層増している。
一読する価値はある。ぜひ読んでみてほしい。