第23話 小悪魔
その列挙が
「勉強が
「偉そうなこと言ってるけど何の見栄にもなってないからね。てか外見は何も否定しないのウケるんだけど」
「
「そもそもそうやって硬派
「否定したらしたでまた叩いて来るのかよ」
「お兄ちゃんはもっと人に興味を持たないと駄目だよ? その様子じゃあ誰かと付き合いたいとか結婚したいとか、考えてもいないんでしょ?」
ここぞとばかりに後部座席から
容赦なく人の心を
「今のご時世、
「そんなことないでしょ。
使い回しの言い訳も小悪魔には通用せず、紛れもない欠点を認定しようと生意気に見定める
だがそう考えると、かえって改変することは難儀であるとも感ぜられた。理由もなく明るいキャラを取り
——仕方がないだろ。好きでこんな性格になったわけじゃない。
——これまでの人生で積み重ねてきた経験や感覚、それらを基に構築された価値観…それが結果として、恋愛だの結婚だのに向き不向きが反映されてるだけなんだよ。
——いや、それだけじゃない…人間としての価値すら問われる始末になるんだよ。
一翔は
一方の
「まぁでもお兄ちゃんは大学時代にはそこそこ長くお付き合いしていた人がいたわけだし、異性に対して
「…じゃあ逆に
放っておくとあらぬレッテルを貼られかねないと
「え? そんなの決まってるじゃん。プロポーズされたからだよ」
だが
「なんだよそれ…プロポーズされなかったら結婚したいと思わなかったってことかよ?」
「今となってはどうでもいいことだから
『天使』と似たような言い回しで
「式は来年の6月に決まったから。ジューンブライドだから、ちゃんと
「ジューンブライドは欧米の文化だぞ。日本の6月は梅雨時でジメつくから必ずしもマッチしてるとは言えないんだがな」
「なんで
元より
そして結婚式やら教員資格やらあらゆるゴール地点を目指して走り行く彼女に対して、人生の終着点へと成す
1つ溜息を
無意識に
何の声も掛けることなくカーナビで自宅までのルートをセットしていると、シフトレバーを引く
「家族には相談しないって、言ってたんじゃなかったっけ?」
一翔にはその揚げ足を取るような問いかけが何を指しているのか、
「…なんの話だよ」
「
「はぁ? なんでそうなるんだよ。そもそもあれはその場
そう言い放って一翔は不機嫌そうにアクセルを踏み出したが、『天使』は単調なトーンで話し続けた。
「でも、何か参考にしようと考えてたのは確かでしょう。どうして自分にはそう思えないのか、どうしたら自分はそう思えるようになるのか…ってね」
「知ったような口を
「そんなことは言わないよ。
『天使』なりの皮肉から逃れる
だが今日は金曜だったため、いつもの大型スーパーへ食材の買い出しに寄り道をした。『
それでも
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