本編
白魚舟と往く
4月 四日市 「浮舟白魚」
氷見の目の前で、
初めまして、氷見と申します、と初対面の挨拶と名刺交換は済ませていた。
三重県四日市にある、近鉄百貨店の最上階の喫茶店「サロン・ド・テ・モロゾフ」を待ち合わせに指定したのは氷見のほうだった。現在は、移住先である金沢に工房を兼ねて居を構えるが、仕事の都合で四日市に着物の買いつけに来ていたためだ。氷見の仕事は、古着物のリメイク作家で、夏物の新作を宣伝するためのスナップを撮りたいと思っていた。
検討の上、浮舟に撮影依頼を打診する連絡をしたのが昨日。
「三重での出張を終えてから、できれば対面で話をさせてほしい」と伝えれば、三十分後にはインスタグラムのDMで「差し支えなければ」と断ったうえで「現在、こちらも名古屋で仕事をしています。三重のどちらにいらっしゃいますか」との返信がきた。
百貨店の最上階にある、昭和めかした喫茶店からは四日市市街が展望できる。
灰色を基調とした、絨毯敷きの店内にはテーブル席が多くある。なかでも、高い天井までガラス張りになった窓際の四人掛けに通されていた。真横の窓は、屏風を半端に開いたように金属の窓枠とガラスとを組み合わせてある。その窓越しに、中央分離帯に緑地を通した大通りと、大通りに沿って続く街並みや埠頭らしき海が見渡せた。
霧雨は薄い靄となり、水平線とコンテナ群を水煙のなかに隠す。
まさか、話がつくとは思わなかった。あらためて、浮舟白魚の顔を見る。
爬虫類めいた、瞼の薄そうな目元は怜悧さよりも繊細さが勝る。鼻筋もすらりとして、象牙製の琴柱じみた印象を受ける。撫で肩すら、小顔のせいで十分に見えるのは面白い。頬骨の目立つ顔は、贅肉のない顎の輪郭から長い首筋へと繋がっている。やや細めの眉毛も、丁寧に整えられて筆で墨を引いたようだ。睫毛の影が、どことなくたおやかにも思える。
不躾だけれど、氷見は観察するように全身を見つめてしまう。
白封筒を差し出す両手さえ、液晶に映る画像で見るよりも希望通りだ。
浮舟のことは、活用するインスタグラムで知った。最終更新は三日前、自身を撮影した写真は数週間前のもので最後だった。依頼された写真だろう、街頭でのスナップがまとめて投稿されていた。概要欄を見れば、個人ブランドのモデルを務めたとの説明があった。
どうやら、被写体モデルを務めているらしい。
この男なら、同様の依頼を受けてくれるかもしれない。
その点、浮舟の印象は、自身の手掛ける服がとても似合いそうに見えた。
数週間前の投稿写真から、髪型が変わっているもののけして悪くはない。柔い黒髪は中央分け、細く色を抜かれた髪筋が浮いている。襟足は刈り上げだが、手櫛感を残して整えられたセットが馴染んでほどよく涼しげだ。五分袖の白シャツと、メッシュ編みのターコイズのカーディガン。濃藍色の、やや細身のフレアデニムの裾を、大胆に折り曲げて履きこなしている。
服装の指定はあるか、との質問には私服で構わないと答えていた。
浮舟が、見た目よりも低い声で切り出す。
念のため、履歴書も、と掠れた男の声が鼓膜を揺らした。
「ありがとうございます。でも、よろしいんですか」
「名刺と、あんなSNSの自己紹介だけや心配でしょう。現住所と生年月日だけは空欄ですけど、最終学歴と職歴と資格欄は埋めてあります。備考欄に、今まで受けた仕事についても短くまとめておきました。ほんまは、職務経歴書を持参するべきかもしれませんが」
「いえ、お気遣いいただき恐れ入ります。昨日、こちらからご連絡したばかりなのに」
浮舟白魚は、確かに氷見清之介の想像通りの男だった。
実際にお会いできてよかったです、と続けた答えに嘘はない。
氷見の目に、漢字を四つ並べた名前が留まった時のことを思い出す。四字熟語のようだが姓名で、苗字と名前のあいだに全角の空白。概要欄を見れば、「ウキフネシラオ」と振り仮名を併記してある。アイコンの真下には、故事成語じみた四文字が浮かんでいた。
大阪在住。文筆業、アマチュアモデル。記事執筆、スナップ撮影の被写体経験あり。
どうやら、個人で記事やブログを書いているらしい。簡潔過ぎる、蛇足を省略した自己紹介は写真とも印象を違えない。筆名か、モデルの芸名だとしても、日焼け知らずの容姿が似つかわしく思えた。まさに、名前に釣られたとしか言いようがない。
名前の「白魚」とは、やはりあの半透明の小魚のことだろうか。
安直だが、まさに白魚のようなという比喩がぴたりと合う風貌だった。
拝見します、と声をかけてから、洋形3号サイズの紙封筒を慎重に開く。中身は、百均で購入したのか、証明写真を貼り損ねたままのアルバイト用の履歴書だ。三つ折りの履歴書に目を移して、氏名欄に書かれた名前に目を見開いた。姓には「浮舟」、名には「白魚」と達筆な楷書が自筆で書き込んである。ふりがなは、当たり前ではあるが「うきふねしらお」。
つまり浮舟白魚とは、芸名ではなく紛れもない本名なのだろう。
「浮舟さん……ご本名だったんですね」
てっきり、芸名か何かだと、と口から勝手に感想が漏れる。
氷見の言葉に、浮舟はほとんど慣れきった相好のまま小首で頷く。
恐らく、こうした反応も、今まで幾度となく経験してきたのだろう。先に受け取った名刺を仕舞った時、素敵なお名前ですね、と暢気な口調で応えた単純さに羞恥が湧いてくる。物珍しい苗字や名前なら、こうしたやり取りは日常茶飯事に違いない。
「ああ、やっぱり珍しいですよね。よく驚かれるんです。どうも、父方の祖母がつけてくれたらしいんですけど。春の季語の『白魚舟』ってご存じですか。苗字と生まれた季節と掛けた洒落やそうです。子供の頃は、名前負けしてるような、気後れする部分もありました」
「それは、そうでしょうね……。でも、お似合いだと思います」
「ほんまですか。何や恥ずかしいですね」
ふ、と口端を緩めると、途端に目尻もさがって幼さが増して見えた。
その表情の、あどけないようなギャップに氷見は虚を衝かれた。まるで、無垢で稚くて、可愛らしいとさえ思える相好。先程までの、怜悧な眼差しと、隠微な嫋やかさを具えた顔立ちからは想像もつかない。いけないものを見た、とさえ感じる浮舟の隙にうまく舌が回らなくなる。
思わず、色つきの伊達眼鏡のブリッジを押し上げる。
仕事の範疇だからと、宣伝を兼ねて自作のリメイク作品を着ていてよかった。適当な洋服を着ていたら気後れしただろう。今日の服装は綿縮の小紋の詰襟シャツ、大島紬の古着を仕立て直したワイドパンツ。黒革のベルトとローファー、黒繻子のネクタイで色を引き締めていた。
黒髪は、前髪ごと後ろで束ねて真鍮製のバレッタで留めてある。
「氷見さんも、素敵なお名前やと思いますよ」
「ありがとうございます。でも、淸之介の字は通名なんです」
「ああ、旧字体ですからね。常用漢字やないから……本名は新字のほうですか」
氷見淸之介、と書かれた名刺を浮舟の目が捉える。
履歴書を受け取る前、お互いの名刺を交換して挨拶したときに渡した紙片。
淸之介の「淸」は旧字で、人名に使用することができない字だ。父方の高祖父の名前が、人名用漢字の分類に抵触して、最終的には現代でも通用する常用漢字の「清」に変えた。だから氷見の氏名は、正確に言えば「氷見清之介」であって「淸之介」ではないのだ。
そうです、と氷見は手放しに感心しながら肯定した。
この仕事を始める際、通名として「氷見淸之介」を名乗り始めたに過ぎない。
どうやら、浮舟は漢字の知識にも明るいらしい。氷見の短い返答で、本名の表記まで看破したことに驚きながら履歴書を読み進めて納得する。最終学歴の枠内には、卒業した年月を省略して「大阪大学文学部卒業」と記載されている。さらに、職歴を見れば、関西の地方出版社の名前がいくつか。編集部員アルバイト、街頭での撮影モデルと小さめの字で書き込んであった。
経歴を掻い摘んで、浮舟の文筆業について推測をつけてみた。
「ご出身は大阪大学ですか。学生時代に、編集部でアルバイトを?」
「そうです。いくつか、関西の出版社でお世話になりました。地方出版社の編集部は人手不足なところも多かったので。大学の先輩の口利きで、繁忙期の手伝いから、臨時の編集部員のアルバイトとして雇っていただいたんです。校正の教材で学んだり、あとは通信講習を受けたりもしてました。今も臨時の記事執筆や、原稿の校正などの依頼を請け負ってます」
まさに勤勉実直、の四字熟語が似合う受け答えだった。
浮舟白魚、という名前からは、掴みどころがない飄々とした印象を受ける。
実際に話をすると、「浮舟白魚」は地に足の着いた人間らしかった。最近は、怪しげな自己啓発に混じって、文筆業の講習を謳う広告も多く、素人同然のアマチュアが依頼を請け負っていることもある。出版社での実務経験は、仕事を受ける際に強みとなるのかもしれない。
氷見はふと、履歴書に書かれた、「街頭での撮影モデル」に疑問を抱いた。
「もしかして、編集部に頼まれてモデルを始めたんですか」
「いや、そんな、頼まれたやなんて大仰ですけど。大学二回生の時、ある雑誌の特集号で、スナップのモデルをしたんです。できれば年代別に街頭で撮影したい、若者向けに関西在住の学生も、と当時編集部にいた自分にも声がかかって。プロのモデルやなくて、ほんまにそこらにいるような、素人の学生のほうが自然でええんやって丸め込まれましたね」
そこから、人づての紹介で徐々に、と浮舟が色白の手で紅茶のグラスを掴む。
骨細なのだろう、突起の目立つ手首から続く橈骨に目を惹かれる。贅肉のない腕は、最小限の筋肉だけを残して滑らかな陰翳を落としていた。その手首に巻かれた、腕時計の濃藍色のベルトが余りそうな細さ。顔に目を戻せば、睫毛にも濃紺のマスカラを見出す。
浮舟も、窓とは反対のほうへ整った横顔を向けていた。
給仕の女性が、盆にサンドイッチとワッフルを携えている。
好印象な接客で、各自が頼んだ皿がテーブルへと置かれていく。頼んだワッフルは、大判の丸型で焼かれたもので、別添えのメープルシロップを回しかけて食べる。焼きたての生地に、ホイップバターが絞られ、湯気とともにほのかな甘い香りが漂っていた。
給仕の女性に、ありがとうございますと浮舟が礼を言う。
丸皿がワッフルで、長皿は浮舟が注文したサンドイッチのプレートだ。
氷見も会釈をしてから、封筒を脇に寄せてナイフとフォークを取る。白磁の長皿を見れば、四つ切りにされたサンドイッチと、ちいさなココットにおさまるプリンとオレンジ。耳を落とした生地の断面に、ハムとチーズ、ピクルスとトマトと薄緑色の野菜らしき具材が覗く。
丁寧に合掌してから、浮舟の指が三角形のサンドイッチに伸びる。
浮舟は、ひときれをきちんと飲み込んでから口を開いた。
「すみません、仕事の面接やのに。昼食を食べ損ねてしまって」
「いえ、お構いなく。面接だなんて、それこそ大仰ですよ。ひとまずお会いして、お話が伺えたらと思っていただけなんです。モデルの依頼は初めてで、お引き受けいただける依頼の内容や相場も確認したかったですし。こちらもワッフルを頼んでいますから」
そう締め括って、丸皿に載せられたワッフルを目顔で示す。
金型を使い、格子模様に焼かれたワッフルは厚みに反して重くはない。むしろ、焼き加減のさっくりとした食感が軽やかだ。クリームになったバターとメープルシロップが染み込んでよく合う。冷たい珈琲を合間に挟みながら、ナイフで切り分けたワッフルを口に運んでいく。
喫茶店は、時間帯のせいか、客の姿がまばらで穏やかな時間が流れている。
初対面の相手と、まして食事をしながらの会話は気を使うものだ。正面の入り口から、勘定を済ませた二人組が去っていくのに目を留める。廊下よりも店内のほうが床が低くなっており、入口に設けられた階段がホテルのラウンジめいた印象を醸していた。
時折、会話の間を埋めるように目線をちらしてしまう。
氷見も、浮舟も、互いに相手が口に含んでいる頃を見計らって話す。
話題は味の感想、氷見の服装に対する誉め言葉などさまざまだ。自然と、交互に食べ進めては会話を継ぐことになる。話のネタは浮舟が昨日確認したという、氷見の個人サイトで取り扱うリメイク作品へと移っていた。履歴書といい、個人サイトの訪問といい仕事の早い男だ。
専門知識はないんですけど、と二切れ目を食べ終えてから口を開く。
前置きをしながらも、アップサイクルの話を始めるあたりが編集者らしい。アップサイクルとは、不用品を付加価値のある新製品として再生することを指す。単なるリサイクルでは儲けが出ない。作品の感想よりも、作品を取り巻く環境に言及するのも記者の性だろうか。
浮舟の、金沢のご出身ですか、との問いには首を横に振った。
個人サイトには、略歴として卒業した東京の服飾専門学校名しか書いていない。
「東京生まれで、でも育ちは鎌倉と言えばいいのかな。祖父母が鎌倉に住んでいて、祖母の友人の洋裁教室に通うようになりました。曾祖父が着道楽で、遺品整理のときに箪笥の肥やしをリメイクしたいって言ったんです。それから、祖母の勧めで洋裁を習うようになりました」
「それで、東京の専門学校に?」
「そうです。卒業後、友人のツテを頼って金沢に」
氷見の出身は東京だが、中学生の頃に鎌倉に暮らす母方の祖父の家へと移り住んだ。
十五歳の頃、母の友人が営む洋裁教室に通い始めた。和装家で、着道楽でもあった曾祖父の遺品の整理に、着物のリメイクを提案したのがきっかけだ。元々、手先が器用なほうだったのは幸いだった。曾祖父の影響で、趣味が高じて服飾の専門学校に進むことにしたのだ。
金沢を選んだのは、移住支援と学生時代のツテを頼ったためだった。
「ああ、金沢は、若い芸術家の方も多いそうですね。金工作家の方とか、若手の活動支援にも積極的な印象があります。移住に関しては、京都なんかも仲介サイト作ったりしてますよね。僕も記事を見さしてもらいますけど、ご友人がいてはるんは心強いでしょう」
「ええ、何かと相談もしやすいですから。友人の紹介で、写真家の方とも知り合いになりまして。ありがたいことに、個人サイトや、展示会のビラの掲載写真などをお願いしてます」
ツテとか、コネとか、あればあるだけええと思います。
大阪在住、とは知っていたが京都など関西圏の事情にも明るそうだ。
編集部勤務を経ているからか、浮舟白魚はとても物分かりのよい男だった。
探りを入れてみると、「自分は奈良出身なんで、関西に知り合いが多いんです」と簡潔な答えが返ってくる。大阪はもちろん、奈良も京都も金沢と同様に魅力的な街だ。ツテやコネがあるのは強みになるだろう。関西の出版社なら、取材先から人脈が広がるのも頷ける。
話をする間に、三切れ目を食べ終えた浮舟と目が合った。透徹に澄んだ色気か、無垢な憂愁を醸し出す目元からテーブルへと目を移す。長皿には、最後のひときれと、櫛形にカットされたオレンジとプリンが残されたままだ。飾りのミントが、白磁の皿の脇へと器用に除けてある。
「プリン、よかったら食べはりますか?」
思わぬ質問に、氷見は浮舟の顔へと一瞬だけ視線を戻した。
瞠目していると、すこし節の目立つ骨細の指がプリンを収めたココットを掴む。溝の彫られたちいさな器には、丸みを帯びたプリンが濃いカラメルを浴びている。「モロゾフ」のプリン。鎌倉にいた頃、祖父母が「ご褒美」にと用意してくれた思い出のおやつだった。
緩く頭を振って、氷見は強欲そうに見えたらしい目線を謝る。
「いえ、そんな、物欲しそうに見えたならすみません。でも、モロゾフの直営店が、実は金沢にもあるんだと昨日調べて知ったので。香林坊のビルの中にあるらしいので、金沢に戻っても食べられますし。だから、本当にお気遣いなく、浮舟さんが召し上がってください」
「お近づきのしるしに。こちらからのささやかな賄賂です」
今後とも、どうぞご贔屓に、と浮舟は茶化すように笑った。
今しがたの返答が、どうやら浮舟のツボにはまったらしかった。
眦を緩めた、あの稚くてあどけない表情。ぞくりとするような相好に、湧いた唾を飲み込めばやましい罪悪感が食道を嚥下して胃に落ちていく。先程の言い訳は、けして嘘ではないし、この喫茶店と同じ直営店が、金沢市内にある百貨店の大和香林坊店にも入居している。
「今度は、こちらが金沢に伺いますので」
生で見せてくださいね、とは仕事の判断のためだろうか。
氷見さんの作品を、実際に見られるのを楽しみにしていますと浮舟が続ける。
お世辞か、社交辞令か、おべっかなのかも判断がつかない動顚ぶりだった。会話の流れは好感触だが、掴みどころがなく躱されているようにも思えた。驚愕したまま、引き受けてもらえるのかどうかを尋ね返す。浮舟は、飄々とした口調で依頼主がこちらであると諭した。
ここに来た時点で、私は俎上の魚ですよ。
まあ、仕事は選びますけどね。そう言って浮舟は目顔を寄越す。
つまり、俎板のうえの魚。俎上の白魚。名前と掛けた洒落は、表情のせいかタチの悪い冗談にしか聞こえない。浮舟白魚は、珈琲のグラスの横にココットをさりげなく置いた。「今度は香林坊のモロゾフでお茶しましょうか」と続ける男は、履歴書から推測するに二十代前半だろう。
氷見清之介は、とんでもない年下男に釣られたものだと舌を噛んだ。
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