第80話 飯と眠り
ク海潜水艇ムラサメ 艦内
顔ぶれはこのようだった。
サヤ 自称
ここまで五名は人間。以下は宝の化身等。
ステラ 紋章
マリス 紋章
マチルダ 宝
メルセデス 宝
ユーグ 宝
アーノルドは鷲の姿でグンカイの肩に乗っており、ジェラルドは姿を見せない。
そして、
モモ 不思議な亀。宝
明丸 幼児、
ク海潜水艇ムラサメは無事、着底した。
月が輝く夜半、一周回って元の虎成城と成馬宮を直線で結ぶ点、そう大ムカデの補給地の近くまで面舵で回り込んでようやく着地した。
一同は
「皆、我はこの
「その前に食事を取られることをお勧めします。戦闘食ですが飲み物と一緒に用意があります。」
「そいつはありがたい!」
そういうと同時に、ユウジの腹が盛大に鳴る。
チエノスケがぶっきらぼうに言う。
「だらしのない奴だ。幽霊とか偽物ではないみたいだな。」
「沖、心配してくれたのか?」
「バカか!それは婆様に言うのだな。心配しておったぞ。この親不幸者めが。」
口が悪いが、コイツにしては口が回るものだとユウジは思った。
「して、婆様は無事か?」
「ユウジ、それらについては話すことがたくさんある。」
若の言葉にユウジは不安なものを感じた。
それから、食事を取りながら、お互いがどうやって生き延び、何を見て何をしてきたかを話した。
ユウジにとって、とても信じられない話が続いた。
シロウにとっても、ク海の真実に近づく情報が入ってきた。
他の面々もお互いの関係性を知り、思う所がたくさんあったようだ。
それぞれが想いを整理するには時間が必要だろう。せめて一晩くらいは眠りたい。
「私が見張りをいたします。皆さまごゆっくりとお休みください。」
「我らの耳もある。生身の者は特に休め。」
ステラとマリスが耳当てをして、それをコツコツと叩いて胸を張っている。
こりゃぁ、蟻のアダケモノが来ても聞き分けられるわ。寝かせてもらおう。シロウは思う。
すべては明るくなって再開だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます