二日目①

 私は雅。好きな人がいた。彼の名前は紫。彼はなんというか、積極的だった。初めて出会ったときのこと。


「ねえ、連絡先交換しよう」


 私は戸惑った。でも、私は彼の情熱的な押しに負けて彼と連絡を交換した。彼は私の人生を受け止めてくれた。私の家族からの虐待とか不幸話を最初に聞いてくれたのだ。嬉しかった。


 だが、彼は私と付き合わなかった。いつも付き合う付き合わない。飽きた飽きないを繰り返していたから。だから、私は、彼に呆れて別の人と付き合うことにした。なんで付き合わなかったのかはわからない。私はもう彼のことは忘れたい。酷い男だ。どうして彼は付き合おうとしなかったのだろうか。


 私が話をしていく度に彼の白髪がどんどん増えていって、辛そうな顔をして、私に関わって、でも、誤魔化すようにニコニコしていた。彼は様子がおかしかった。何に苦しんでいたのだろうか。


 そんなある日、私は紫君が女の人と歩いているのを見た。なんなんだあれは。嫌な気分になった。



 先輩が彼女になった。浅香先輩こと彼女が引っ越す6日前。

 僕たちは二人で学校に通うことにした

「おう紫って。げ、浅香先輩」

 学校と通学路の中間地点にその男はいた。祐二である。

「紫くん! 好き」

 先輩はもう理性を捨てきっていた。僕と堂々と腕を組んでいたし、僕からつかんで離れなかった。

「おはよう裕二」

「告白したのか?」

「うん」

「で、なんだこれは」

「いちゃいちゃかな」

 僕は答えた。

「女帝がなんて顔してるんだ?」

 すると、彼女が、

「だってかっこいいんだもんスキなんだもん」

となんとも目がハート演出あるだろうといったとろけ顔である。

「失礼ですが浅香先輩! この男のどこが好きになったですか」

「全部! あと、責任取ってくれるっていってくれたんだ。うれしかった」

「お前凄いな。その年だとまだ遊びたいざかりだろ」

「まあね」

「ほかの子とは遊ばせないよ。私が満足させるから」

 僕は彼女にキスをした。

「当たり前だよ」

 自身ありありで堂々と答える俺。キスを受け入れる浅香さん。

「エ、エッロいなお前ら。てか、これ、浅香さん?」祐二がいう。

「絶対に離したくない」

「完全にロックオンされてるな。これは結婚まで秒読みか」

「結婚したいな。もうつけてしなくてもいいよ。昨日はつけくれたけどね」

 祐二に聞こえないように、僕の耳元で彼女が囁いた。昨日、あのまましてしまった。

「浅香さん好きです」

「私も」

 僕と浅香さんのキスをしている姿は朝の通学路ではかなり目立った。僕は思った。

 てか、かと。

「浅香さん六日でもう日本からいなくなっちゃうんですよね」

「うん」

 祐二は驚いて、「マジか。てか、なんで学校来てんだよ」

「いや、それなんだよ、日本人だから?」僕は突っ込んだ。

「あ、確かに日本人なら地球滅亡しても学校とか職場行きそうだもんな」

 彼女は僕の胸に体を埋めていた。

「うん、確かに学校なんて行かなくてもいいよね」

「てか、もういっそのこと学校サボってひたすらイチャイチャしたい」

「うん」


 かくして、僕と彼女は学校をサボった。祐二は僕のノートも取ってくれるそうだ。その後の勉強は大変そうだ。

 浅香さんは「授業なんてもうどうでもいい。ただ、イチャイチャしたい」のだそうだ。

 ちなみに、浅香さんはこの学校では変わっていてめちゃめちゃ頭がよく、学年トップであり、模試もかなりの成績だそうで、別に勉強しなくてもいいんだそうだ。なんなら、「もう余裕で大学入試突破可能」なのだそう。


 「どこまでも溶けていきたい」

「うん。いいよ溶かしてほしい」


 僕の家でなんども愛を確認するように接吻キスをした。お互いが溶け合うほどに。僕がいつも起こされる時計の秒針の音が時を刻んで、学習机に置かれたプログラミングの本、谷崎の本。彼女のカバン。カーテンをかけ、太陽を隠し、二人の世界にこもる。


 昼間から夜の雅びさに溶け込んでいる。


 彼女は舌を出した。それは私を蹂躙してと言わんばかりの出し方であった。僕も舌を出して彼女と舌を入れ込んだキスをした。僕とそして、僕は彼女の下着姿を眺めた。


「恥ずかしいからそんなに見ないで」


 そうやって豊満な胸を隠している姿はエロティックの極致だった。彼女の普段見せない裸の姿がそこにはあった。


「とても綺麗だ」

「そう?」

「うん。大切に育てられてきたんだね。とても美しいよ」


 僕は後ろから彼女を抱きしめてその胸を揉んだ。彼女は「ひゃん」と最初に揉んだときに悶えたが、そのあとは僕の愛撫に耐えていた。


「紫君のエッチ」

「そうだね。でも、先輩もエッチだ」

 僕と彼女はそれから愛を確認するかのように何度もし続けた。お互いに果てるまで。

 僕は彼女とベットで手をつないで寝ていた。

「ねえ」

 そう彼女が聞いてきた。

「ん? なに」

「愛のあるエッチってこんなにも気持ちいいんだね」


 そう彼女はベットに粗雑に置かれた四個のゴムのうち一つを両手にもって僕の出した液体をみて言った。

「これが私の中に来るはずだったものなのね」

 僕は奮いながら

「そう…ですね」

「欲しいなあ」

「欲しい」

 僕は驚いた。

「ずっとここにいたいなあ」

「僕もです」 

「良いんだよ。妊娠させちゃっても」

「どう育てるんですか」

「紫君が高校中退して働いて私も子供産んだら働いて。お互い疲れて帰ってきて二人でごはんつくってお風呂入って子供と一緒に眠りたいなあ」

「働いてるとき子供はどうするんですか?」

「保育園とか幼稚園とかかなあ。私のお父さんお母さんに少し頼ったりできればいいと思うけど…」

 そういうと、彼女はできないと悟ったのか

「無理かなあ」

 と。僕は気になって

「なんでですか?」

「だって、私、親が決めた婚約者がいるから」

「え?」

「私の家は結構良いところの家だから」

「知ってますよ」

「ねえ、紫くん。今、私、夢見てるみたい」

「現実なんて見たくない。困難だらけだ」

「だから一緒に夢に溺れましょ」


 さながら傾国の美女のような艶めかしさに僕は世界が滅んでもいいから彼女といたいとさえその時は思った。だが、それはきっと時間が経ったらいい思い出だと脳で処理しているのかとさえ思う。理解している。彼女とは長くはいられないと。


 午前の時間はあっという間に過ぎていた。

「このあと、一緒に旅行しない?」

「旅行ってどこにいくの?」

 僕は聞いた。

「鎌倉」



 俺は見た。浅香さんが、地味目な男と歩いているのを。誰だあいつは。俺は思った。俺は昨日あの人に告白した少し人気のある男である。ちなみにサッカーもしている。人気のあるとは少し傲慢な考えかもしれないが。


 俺は、浅香という名前の女の子が好きだった。彼女のひたむきに努力する様が好きだった。カッコいいと思った。あこがれたんだ。俺は、運動しかできなかったから。


 そして、告白した。だけど、断られた。悔しかったよ。


 今日は、しっかり彼女のことをきっぱりとあきらめて前に進むぞ。そう思って、今日登校してきた。そしたら、一体なんだあいつは。明らかに俺より下ってところの男じゃないのか。


 俺は許せなかった。彼のように強さもない男に彼女が守れるのか! そうだ。俺は決闘をしなくてはならないと思った。彼女にふさわしいのが一体誰なのかと。


あとがき

 風呂敷を広げた! そう広げたのだ。これからどうなるのかは俺にもわからない。キャラを凝って毎話ストーリーを考えるぜ! じゃあなベイべ

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