第32話飛燕



「こんな戦艦なんて始めて見たぞ」


「厳密には、空飛ぶ要塞型戦艦と呼んでほしいね・・・」


そう言ったのは、水上飛行機を作った宮島だ。


「え!もしかして設計したのも・・・」


「そうだよ・・・僕だよ・・・全長340メートルで最大幅50メートルの直角三角形タイプだ・・・なんて綺麗なフォルムなんだ」


なんだよ自画自賛かよ。


それにしてもスター・〇ストロイヤーに似てるぞ。

しかし、艦橋がないからスッキリした形になっている。


45口径46cm3連装砲塔:4基が上に2基、下に2基がついてるから目立つ。

大型ミサイルもあるらしい。


更に2発の核弾頭を装備している。

ついに日本も核三原則を破棄。


国会で核保有を承認。



「あれ・・・あれって・・・」


「ああ、あれか・・・君も係わってる秘密兵器だ」


まだ完成前なのに、上部が開き秘密兵器が飛び出す。


その正体は、黒い球体で直径1メートルで数は10個。

あの黒いのは、俺の黒魔法でコーティングされた証で頑丈になっている。


1平方センチメートルあたり、約1000キロの力がかかても潰れない。

色々テストした結果の数値だ。


あの球体には重力魔石が使用されていて、艦内からの遠隔操作で動いている。

あれの秘密兵器は、一斉に放出する重力攻撃でブラックホールを発生させることだ。


そのブラックホールでドラゴンを倒すらしい。


俺がちょっと口を滑らせたのが悪かった。


ブラックホールの後始末は、俺しか出来ないから俺も乗り込むらしい。

本当は嫌だが仕方ない。


ドラゴン討伐の要塞型戦艦だ。

日本の未来が・・・





あああ、1週間後に完成したぞ。

大勢の人が飛ぶのを今か今かと待っている。


自衛隊の音楽隊が士気高揚のための演奏してるぞ。


ああ、官房長官の演説が始まったぞ。

何時間、話すすもりだ。


ようやく終わった。



「それでは総理、テープカットをお願いします」


総理大臣の稲葉がテープカットをした。



要塞型戦艦『飛燕』がゆっくりと浮かびだす。


あああ、あっちこっちから拍手喝采はくしゅかっさいだ。

フラッシュも・・・・・・

テレビ各局も来て生中継をしていた。



『飛燕』は空高く上がった。

向かった先は、アメリカのサンフランシスコだ。

距離は8,269キロ。


音速3で飛んだ。

2時間15分でサンフランシスコの上空に到着。

最大速度は、音速5だ。


討伐失敗時にドラゴンから逃げるためらしい。



「サンフランシスコに来たぞ。偵察ドローンでドラゴンを探せ!」


「偵察ドローン01から50まで発進」





「偵察ドローン、予定のコースを飛行・・・ドラゴン、今だに発見なし発見なし」



10日間の探索してもドラゴンの発見はない。


「いったい、どこに行ったんだ」


サンフランシスコ上空からカリフォルニア全域を探し尽くした。


「なんだと・・・ネバダ州も探せだと・・・」


「政府命令です。森林が多いのでドラゴンもいると・・・」


「なんだ・・・それだけの理由だけか・・・なんの根拠もないではないか・・・」


俺は、そんなやり取りを黙って聞いていた。


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