第20話日本語



「え!韓国人を助けたって・・・」


「生き残った韓国人を弟子にして、ダンジョンで強くなるように指導してます」


嫌々、俺の想像を超えた話だぞ。


「我らの中で強いのは、新月派なので強力なモンスターは、新月さんに任せきりです」


なんだよ、その新月派って政治みたいに派閥があるのか・・・


だから俺は、新月を睨みつける。

新月もヤバイと思ったらしい。

顔をブンブン振って『違います』って言ってるような気がするぞ。


二郎も俺と新月を見て、はっ!と気づいた。


「あ!申し訳ありません。いい間違いで新月隊でした」


なんだよ派と隊では、言葉のニュアンスが違うぞ。


「それで韓国人は、どこに隠れて住んでいるんだ・・・ソウルのビルか・・・」


「そんな大都会に住めません。ダンジョンのFランクに住んでます。外に這い出たモンスターが戻れないのを利用してるので、ダンジョンのゴブリンがリポップする場所と、リポップする一定の時間を把握するのが大変でした。それでも生き残った韓国人は増える続けて、今では7ヶ所のダンジョンと地下4階まで制覇して人が住んでます」


なんか大変なことになってるよ。

どうしたら良いか考えていたら・・・


「我らの主に言うのも悪いのですが、我らの仲間を増やしてもらえないでしょうか・・・」


黒影や新月隊は、体が大きくなり過ぎてFランクの通路では、邪魔になって使えないらしい。


黒影が剣を振り回せば壁に当たるのか・・・それは、ダメだ。

それで韓国人も戦わせての覚醒者を誕生されたらしい。


ダンジョンの7ヶ所には、二郎らが常駐して指揮してるらしい。

外の探索もするから数が足らない。


危険とされるリポップ場所は、覚醒者の寝床で危険度マックスだ。


不在の場合は・・・

男や勇ましい女性が集まり、時間になってリポップしたゴブリンをボコボコにして殺す。

それがダンジョンの日常だ。


地下5階のゴブリンは、強いから一般人ではダメだ。

だから覚醒者が戦ってレベルアップを・・・






そんな状況なのに、俺が現れたから影法師全員が来るなんて・・・

一郎なんかすり寄って来たぞ。


「主、褒めてください」


デカイ体なのに甘えん坊だ。


そんな一郎とダンジョンEランクへ行った。


俺って韓国のEランクの場所なんか知らん。

一郎の意識とリンクして影から出たよ。


「ここがEランクか・・・」


「韓国政府は、爆破計画も野党の反対によって頓挫したようです。しかし北朝鮮からモンスターが現れて、めちゃくちゃに・・・」


「そうか・・・陸が続いているから仕方ないよ」


「それでは行きましょう」


「え!帰っていいよ」


「そんな・・・ついて行きます」


本当について来たぞ。



コボルトが出てきた。


「お任せください」


矢を射る。


「ズバッ」と音速で飛んだぞ。


ゴブリンのグチャグチャな血が散らばってるだけだ。


「矢もパワーアップしたのか・・・」


「はい、ワーウルフになった時に・・・」


そうなんだ。


「なら黒影の剣は、パワーアップしたのか・・・」


「はい、1キロ先まで斬ってます」


え!そんなに・・・



ああ、今度は蹴り殺したぞ。

魔石を俺の所まで持ってきた。


嫌々、影に入れろ。

あ、違うのか・・・「よく頑張ったぞ一郎」


「はい」


ああ、面倒だ。



次から棘で始末する。

ジャンジャン階層を進んで地下6階に来たぜ。


弓から矢が放たれるが棘がペシバシと折って、盾持ち3人を貫く。


後方では、弓隊が影によって拘束されたぞ。


そして槍の使い手も「ブス、ブス、ザス、ブス、スパン」と刺して切って殺した。


俺もパワーがアップしたようで弓隊を、5分で引き込んで影法師にすることできたぞ。


その影法師を呼びだすと10人の黒いコボルトが這う出る。


「お前は十一郎、お前は十二郎、お前は十三郎、お前は十四郎、お前は十五郎、お前は十六郎、お前は十七郎、お前は十八郎、お前は十九郎、お前は二十郎だ」


あああ、なんか疲れた。


「一郎、この10人を連れ帰れ」


「え!連れ帰るのですか・・・分かりました。連れ帰ります」


「それ以降のコボルトをここで放置するから、暇になったら見に来てくれ」


「あ、はい」


「それじゃー行くぞ」10人を連れて影に入ったよ。



俺は、走り続ける。


「見つけたぜ」


そして影拘束で盾持ち、槍の使い手、弓隊も全て拘束。


5分も経て影の中で影法師に変化する。


「いでよ影法師」黒いコボルトが這う出る。



また走った。

そして影拘束で拘束して影法師に・・・


「いいか!ここでレベルアップして頑張ってくれ・・・後で仲間が来るから従うように」


「ワン」


「ワン」


「ワン」


「ワン」


「ワン」


「もう返事はいいから・・・俺は帰るから」


影に入って二郎の所へ。




「二郎」


「あ、主、何でしょう」


二郎の気配で来たが、ここってダンジョン・・・


難民キャンプみたいに通路にテントが張ってる。


二郎と話してるのは、韓国人・・・


「これはこれは、日本から来た二郎殿の主殿」


あれ!韓国人だよね。


「日本語が上手ですね」


「いえいえ、とんでも御座いません。生きて行くには、日本語が必要ですから・・・」


二郎から聞いた話だと、日本語しか話せない二郎達。

そんな二郎に助けられる韓国人は、日本語を話せる韓国人から日本語を必死にならった。


それは生死に係わることだから、真剣に勉強したらしい。


聞いた話だと3万人がダンジョンに住んでる。

テントでプライベートを守ってるらしいが、中にはテント内もダンボールで防音対策する者も・・・


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