第21話韓国へ
日本に戻る。
もう朝で徹夜してしまった。
「安信、ご飯よ」
あ、母が呼んでいる。
ダンジョンでめちゃ走ったから腹がペコペコだ。
階段を下りてダイニングに入ったら、リンリンは母の手伝いを・・・
父親の
父の「いただきます」で皆も「いただきます」で朝食が始まった。
味噌汁、ハムエッグ、納豆にタクアン。
リンリンをチラ見して飯を食ったよ。
ダンジョン管理局に行く前に、スマホで高橋部長に電話した。
異例の出世した高橋さん。
なんでもドラゴン対策部の部長らしい。
部の内容は簡単でドラゴンを殺す専門の部だ。
日本の将来が掛かる部なんだ。
その対策の目玉が俺なんだよ。
「今からダンジョン管理局へ行くからリンリンは留守番だ」
「師匠、付いて行きます」
「え!一緒に付いて来るのか?嫌々ダメだよ」
「大好きな父と約束したので・・・どこまでも付いて行きます」
マザコンか・・・色々事情があるのだろう。
「安信。連れて行きなさい」
え!こっちの父も・・・
「分かったよ」
高橋部長の前で韓国でのことを全て話した。
俺1人で、生き残った韓国人の未来を受止められないからだよ。
それにコンビニやスーパーの食料も限界だ。
冷凍庫はあったが電気供給がストップして腐っている。
いまあるのは無事な倉庫の米だけだ。
雨に晒された倉庫は、カビが発生してダメだった。
だから俺は、早い段階で白旗を揚げたよ。
だって16だよ。
そんな俺に何が出来るんだ。
人々の人生の責任なんか取れないよ。
それに便所事情も話したよ。
排便して放置すれば消えるが、消えるまで時間が掛かり臭いが漂う。
それも大勢の人間が住んでいるダンジョンの中で、色々問題が発生するらしい。
トイレ場所から遠い人間は、途中で堪え切れなくなって××してしまう。
だからって地上に出ての排便も命がけだ。
「分かったわ。君には色々な隠し事があるみたいだけど、あえて聞かないけど・・・良いわ、上に聞いてみる」
「そうですか・・・俺は、安心していいですよね」
「日本も自国のみでの自給自足にも限界があって、いい機会だと・・・」
横で座っているリンリンも驚きながら聞いていた。
緊急国会で韓国を取り込むことが決定された。
確認された韓国人の数は、3万人。
もう国として成り立っていない。
早い話が国でなく避難民が住んでいると言って良い。
それに韓国は、カドミウム、亜鉛地金、鉄鋼において世界有数の生産国だ。
セメント、銅地金、葉ろう石、滑石においても有数の生産国でもあった。
それを日本政府が欲した。
昼過ぎには、日本政府も本格的に乗り出す事をニュースで発表。
それを聞いた韓国ギルドも喜んだらしい。
船による調査団を出航させた。
多くの韓国覚醒者が乗った。
なので俺が先に韓国へ行って話して来た。
ダンジョン暮らしの韓国人は、喜んでいた。
韓国人も薄々感じていたようで、韓国政府崩壊で頼れるのは日本しかない。
数年前は、反日なのど問題があったが生死の問題の前では、微々たる問題でしかない。
きっとテント暮らしの辛さが身に染みたみたいだ。
助けてくれる政府がなく将来の希望もない。
だから日本に頼るしかない。
新月隊によって飛行場の安全確保が出来た。
プロペラ機で大量の食料が運送された。
「ソウルダンジョンは、こっちの食料だから間違えるな」
黒影を見てギョッとして驚く。
乗組員「心配するな、覚醒者の仲間らしいぞ」
「早く言ってくださいよ。心臓が止まるかと思いましたよ」
黒影は、気にかけることもなく食料を影に放り込む。
そして自らも影に入った。
船で魔石で動く重機やトラクターなどが輸送さた。
ビルはモンスターによって瓦礫にされている。
道には、草がボウボウに生えていた。
都会のジャングルだ。
そんな場所の開拓が始まった。
韓国でも自給自足が急務だ。
自分達の食い扶持も自分自身で作る必要に迫られている。
重機で瓦礫は撤去されて、トラックに載せられる。
そしてトラックは走りだす。
開拓された大地を見ながら、土魔法使いが魔法を唱える。
「我の命に従い、大地を犯す有害な物を取り去り、あのドラム缶へ集めよ。そして大地に恵みあれ」
「いやーこんなにも・・・あ!目が・・・」
「それは、有害ですからね」
ドラム缶にフタをしてギュッと閉める。
「これで大丈夫です」
「これを使って植物系のモンスターを殺せるとお考えですか・・・」
「ダンジョンでは、100%成功してるので・・・」
「それでは地上での成功を祈ってます」
開拓された農地には、用水路を使って水が張られた。
その田には田植え機が苗を植えている。
その苗も稲の種の状態の時に、植物魔法使いが魔法を発動している。
これによってダンジョンからもれるマナを吸収して、苗がグングンと健康に成長するらしい。
1ヶ月半で穂が垂れる田になっているハズだ。
日本でもコンバインが収穫する米は、大量で大粒で旨い米になる。
だから韓国でも旨い米が育つだろう。
畑を耕して、種を蒔けば成長も早い。
すべて魔法の恩恵らしい。
なので畑の開拓は止まらない。
徹夜で邪魔な廃ビルを壊して、畑に変えてゆく。
韓国のモンスターが居ない状況になって、電波も使用できることが判明した。
今後は、通信を使うために電波基地の建設が予定されている。
当面の課題は、警戒管制レーダーの設置だ。
空を飛ぶモンスターは、絶対に速い段階での発見が必死だ。
なので
機体上部の円盤形レーダーで空中から全方位を監視し、モンスターの侵入を早期に察知、解析して指揮や統制する機能を持ち合わしている。
勿論、プロペラ機に変更して給油も必要ない。
そして人工衛星による監視対象に、韓国領土も追加された。
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