第15話大魔法使い
「ギアー」とプテラが叫ぶ。
翼幅6メートルのプテラノドンが飛んで来たぞ。
こっちのプテラは8メートルだ。
あ、すれ違いに互いに何かを放った。
そしてプテラノドンの翼はズタボロに切られてる。
きっと風魔法の攻撃だろう。
プテラは無事だった。
落下したプテラノドンは、「ズタン」と音を発して右翼が折れ曲がっていた。
そしてうつ伏せ状態でもがいている。
リーダーは、走りながら大ジャンプした。
大剣でプテラノドンの首を刎ねる。
ティラノサウルスと違い皮は硬くない。
「落ちたトリは、死ぬのみだ!!」
なんか格好良いことを言ってる。
全然似合わないよ。
「これがプテラノドンの魔石か・・・赤色でなく水色の魔石だぞ」
「風魔法を使うから水色なんでしょう」
メガネのお姉さんが言い放った。
この人は、ダンジョン管理局の職員で覚醒者でもあった。
監視役で来たみたいで風魔法の使い手でもあるらしい。
「これなら1億の値段になるかも・・・あくまでも暫定的な値段です」
皆からどよめきが起きた。
嫌々、俺なんか影の中に数え切れない魔石があるぜ。
韓国で強くなった影法師たちが回収したヤツだよ。
知らないモンスターの魔石も・・・
ティラノサウルスが又も走ってきたぞ。
「ここは我らが戦って倒しましょう」
あの追加10人の年長のおっさんが言ってるよ。
「それではお手並みを・・・」
こっちのおっさんが相手側に歩み寄る発言をしたぞ。
おっさんは、年長のおっさんを知ってるみたいだぞ。
俺は、知らんけど・・・
男2人が火球2つを発動している。
お!合体させて大きな火球にしている。
向こうでは、女性2人が水球を2つも作って、同じように合体させて大きくした。
「放て!」と年長のおっさん・・・
ティラノサウルスに2つが命中して水蒸気爆発が起きた。
こっちまで熱風がよせて来た。
「プテラ」
プテラは、風で吹き飛ばす。
その風がなければ火傷したかも・・・
ティラノサウルスの周りは水蒸気で霧のようになっている。
その霧も少し待てば消えた。
そこにはティラノサウルスの姿はなく、魔石だけが残っていた。
「お見事・・・大魔法使いの弟子は違いますな・・・」
なに大魔法使いって、それに弟子って・・・
そもそも魔法に詳しくない・・・
俺は、剣士を目指していた。
身体強化:力や防御力と素早さが強化されるスキル
思考加速:動きがゆっくりに見えるスキル
縮地:短い距離を一瞬で移動するスキル
そんなスキルに憧れていたよ。
まあ目覚めたのは、黒魔法だが・・・
ああ、きやがった。
それはゴキブリだ。
2メートルもあるゴキブリが空を埋め尽くしている。
女性陣から悲鳴が・・・
これほどの数ならテラ、ウル、プテラでは勝てないぞ。
これって軍隊アリを思い出したよ。
別名人喰いアリとも言われて、生きてるものは何でも喰らう。
ゴキブリも雑食で、何でも食べてしまう。
地面が暗くなる。
俺は、ハッとして思わず棘攻撃を発動していた。
影から無数の棘が空に向かって伸びてゴキブリを突き刺している。
あんなに高く伸びるのか、信じられない距離だぞ。
それは一瞬の出来事だった。
棘が引っ込むのも速く消えたようになった。
そして無数のゴキブリが落ちてきた。
またも悲鳴が・・・
「なんなの!助けて!!」
どれだけのゴキブリが・・・
そのゴキブリが消えると大量の魔石が残っている。
「お前がやったのか!」
「まあ、そんな感じで・・・」
大魔法使いや弟子も驚いた顔で俺を見てるよ。
「これじゃー持ち帰れないぞ」
あのおっさんも登山用リュックサックにパンパンに魔石を詰め込んでいた。
少しでもスペース確保するために、弁当と水を配って「昼飯には早いが食え・・・食い終わったら帰るぞ」
このおっさんは、力持ちだから荷物も担当していた。
一日中背負っても疲れないらしい。
皆も食べ終わって、地面に弁当やペットボトルを捨てた。
数時間もすればダンジョンが消し去ることを知ってるからだ。
「この残った魔石は・・・」
「欲しいならポケットに入れて持って帰っていいぞ。それは個人のものと認めてもいいだろう・・・高橋主任の考えは・・・」
「仕方ありませんね・・・放置されるなら・・・」
「高橋主任のOKをもらったぞ」
皆は、ポケットやレジ袋に詰め込んでいた。
俺も、もったいないと・・・自分の影に放り込んでいた。
ああ、腰が痛くなってきた・・・切がない。
あ!良いアイデアを思いついたぞ。
自分自身の影を伸ばして魔石を入れていった。
はじめからやれば良かったよ。
すべてを入れて俺は満足してた。
「オイ、それって何だ」
しまった・・・仕方ない。
「影に入れただけですよ」
「お前って奴は・・・色々隠しているな・・・」
皆は、ドン引きだよ。
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