魔法薬と私の友達

 その後、他の子供たちを別室に移動させながら、被害にあった6人について聞いた。

 虎獣人の男の子であるアグネス、熊獣人の女の子であるスピル、狐獣人の男の子であるネオス、普通の人間である女の子のブリジア、焦げてたシスターがベルナ、ただ気絶していたシスターがテレーズだそうだ。


 ちなみに、なぜ魔法薬の爆発だと気がついたのかを聽かれた。

 私が見た感じ、4人は外側が焦げていたけど、軽い火傷程度だったため命に関わる怪我ではなく、気絶していたもう1人のシスターも見た限りでは怪我をしていなかった。

 そして、あの爆発痕が、失敗作の魔法薬が爆発した時と同じような爆発の仕方だと気がついたというのもある。


 私の友人に、両親から受け継いだ道具屋を営む私と同年代の人物がいる。

 その子と会ったのがこの街に来て1ヶ月ほど経った時のことで、私はライトが怪我をした時のための備えとして、回復効果のあるポーションを買いに、偶々目に入った道具屋に立ち寄った。

 その道具屋で店番をしていたのが、現アメジスト1の道具屋を自称する私の友人の少女、メグだった。


 メグは、初対面の私に対してもグイグイと商品をアピールする積極的な性格をしており、あしらうのが面倒臭くなった私はその商品を買ってしまった。

 当時の私と同年代の彼女と仲良くしたいといった下心もあったけど、そんな下心はサービスだと言って差し出された魔法薬を試しに開けたら爆発した時点で消え失せたが・・・。

 その後、自分の失敗作の魔法薬をよこしやがったメグに文句を言ったら、うまく魔法薬を調合できないから練習に付き合って欲しいと泣き付かれた。

 その時はライトがちょうどDランク昇給試験を受けていた頃であったため、暇だったから付き合ったのだ。

 ちなみに、私はライトよりも2週間早くDランク昇級試験受けて、Dランク冒険者になっていた。


 それからというもの、メグが欲しい魔法薬の材料を集めてきたり、メグの作った魔法薬が爆発して髪がチリヂリになったり、希少な素材が欲しいとダダをこねたり、無理やり冒険者登録させて自分で集めれるように指導したり、筋肉痛で動けなくなったインドア娘を背負って、飛竜と呼ばれるモンスター、ワイバーン(Bランク)と追いかけっこをする羽目になったりと、大変な日々を送った。

 それから、16歳になってからメグが両親から店を受け継いだことで忙しくなり、私が道具屋へと買い物ついでに遊びに行くという流れが出来上がった。

 ちなみに、私の使う罠とかも、メグが作った魔道具の一種であり、私専用のオーダーメイドでもあるのだ。

 やはり、友人価格は偉大だ。


 話を戻すと、事件現場に残されている爆発痕は、メグが魔法薬の調合をした時に起こった爆発の痕と似ているのだ。

 なぜ失敗した魔法薬が爆発するのかって?私も未だにわからない。

 そんなことを話していたら、犠牲者6人が目覚めたようだ。

 起きてすぐで悪いけど、1人ずつ話を聞いていこう。

 私の予想が正しいとは限らないから。


 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

≪懐かしい・・・≫


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