第6話 砂の心を知る旅
サンドレの言葉がスピリルとミルの心に響いている中、彼らは新たな冒険へと踏み出すことを決意した。砂の精霊と共に、彼らは自分自身を知る旅に出ることになった。
「私たちが砂の声を聞くためには、まず自分たちを理解する必要があるのですね?」スピリルは確認した。
「そうだ。自分を知ることが、他者を理解する第一歩となる」とサンドレは静かに言った。「私が導く。だが、最終的にはお前たち自身が見つけなければならない。」
スピリルとミルは、サンドレの後をついて砂丘を下り始めた。周囲の砂は、彼らの足元でさらさらと音を立て、まるで彼らを歓迎するかのようだった。彼らは次第に、砂の街の外へと進んでいく。
「これからどこへ行くのですか?」ミルが尋ねた。
「砂の湖へ向かう」とサンドレが答えた。「そこには、過去の思い出が砂に残されている。それを通じて、お前たち自身を知る手助けをしよう。」
スピリルとミルは、期待と不安の入り混じった気持ちでサンドレに従った。しばらく歩くと、前方に広がる湖が見えてきた。青い空が反射し、湖面はまるで宝石のように輝いている。
「ここが砂の湖です!」スピリルが目を輝かせた。
「湖は、過去の思い出を映し出す鏡のようなものだ」とサンドレは言った。「それを見つめ、自分の過去を受け入れることで、真の砂の声を聴くことができる。」
彼らは湖のほとりに立ち、ゆっくりと水面を見つめた。湖面は静かで、風が吹くたびに微かに波が立った。スピリルは心を落ち着け、ゆっくりと呼吸を整えた。
「私の過去、何を見ればいいんだろう?」彼女は心の中で自問した。
「目を閉じ、心を開け。思い出が浮かんできたら、それを受け入れなさい」とサンドレが導く声が響く。
スピリルは目を閉じ、深呼吸をした。静かな湖面に自分の思い出が映し出されるのを待った。しばらくすると、ぼんやりとした映像が頭の中に浮かんできた。彼女は幼い頃の思い出、自分が家族と過ごしていた日々を思い出した。笑い声や、温かな日差し、愛する人たちの笑顔が蘇る。
「これは、私の大切な思い出だ」とスピリルは感じた。
その時、隣でミルも同じように目を閉じていた。彼女は、友達と遊んだ日のことや、家族と一緒に過ごした楽しい時間を思い出していた。彼女の心の中に温かい感情が湧き上がる。
「私たちの思い出は、私たちの一部なんだね」とミルは微笑んで言った。
「そうだ。思い出を受け入れることは、自分自身を理解するための大切なプロセスだ」とサンドレは頷いた。「さあ、さらに深く自分を探る旅を続けよう。」
サンドレの導きで、彼らは湖の中へと歩を進めた。水はひんやりとして心地よく、足元の砂が優しく包み込むようだった。サンドレが先に進むと、彼らもそれに続いた。
「次に向かうのは、思い出の砂の洞窟だ。そこには、お前たちが直面するべき過去の影が待っている」とサンドレは言った。
洞窟に近づくにつれ、二人は心の中に不安を感じ始めた。過去の影とは一体何なのだろうか。スピリルはドキドキしながらも、サンドレを信じて進むことにした。
「ここで待っているのは、過去の後悔や恐れかもしれない。だけど、それを見つめなければ先には進めない」とサンドレが続けた。
彼らは洞窟の入口に立ち、暗闇の中に踏み込む決意を固めた。スピリルはミルの手をしっかり握りしめ、二人で力を合わせて進むことを決めた。
洞窟の中は静かで、ひんやりとした空気が漂っていた。スピリルは目を凝らし、周囲の暗闇の中に何が待っているのかを感じ取ろうとした。彼女の心の中に不安が広がる一方で、サンドレの存在が彼女を安心させた。
「お前たちが直面する影は、お前たち自身が抱えているものだ。それを見つめ、受け入れなければならない。どんなに怖いことでも、勇気を持って進むのだ」とサンドレは促した。
スピリルとミルは、お互いの顔を見つめ合い、しっかりと頷いた。彼らは共に進み、砂の洞窟の深い闇の中へと足を踏み入れた。恐れを感じながらも、自分自身を知るための旅は、ここから始まるのだと信じていた。
砂の声 アルマダ @galleon
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