遠征①


今日は学園の休暇を利用して、マリーとともに遠征にきていた。



陽の光が降り注ぐ朝。リクとマリーは、荷物をまとめて街を出発する準備を整えていた。今回の目的地は「銀霧の森」。冒険者の間でレベル上げに最適と評判の場所で、特に中堅クラスが実力を磨くために集まる有名なスポットだった。



「本当にこの森でいいの?」マリーが地図を見つめながら尋ねる。彼女は少し不安そうだが、その目には期待も浮かんでいる。



「もちろんだ。銀霧の森はモンスターも強力だけど、俺たちのレベルでもなんとか立ち向かえる相手が多いんだよ。ここでなら、一気に実力を伸ばせるさ。」リクは自信をにじませながら、彼女を勇気づけるように言った。レベル5とはいえ、彼はこれまでの経験と根性でここまで成長してきた。次のステップに進むため、スキルに頼らない強さを得るために、さらなる挑戦が必要だと感じていた。



銀霧の森は、名の通り、幻想的な銀色の霧が立ちこめる美しい場所だ。しかしその霧の中には、見えない脅威が潜んでいる。森の奥に進むにつれて、モンスターも次第に凶悪さを増し、油断すれば命を落としかねない危険な地域だ。それゆえに、冒険者たちからは「実力を試される場所」として知られている。



リクとマリーは、この旅を「レベル上げのための休暇」として楽しみたいという気持ちもあったが、それ以上に互いの実力を磨くため、そしてリク自身が「やり直し」に頼らず成長するための特訓として捉えていた。

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