第2話 心を射抜くもの
今日もまた、変わり映えのしない授業が終わった。周りのクラスメイトに笑顔を振り撒きながら、教室を後にする。
「今日は新しい魔法を試そうかな…。」
…え? あれは…。
ぼうっと帰り道を歩いていた私の視界に飛び込んで来たのは、燃え盛る1棟のマンションだった。どこから火が出たのかは分からないけど、明らかに消火が追い付いてない。駆け付けた消防車も業火を前に、焼石に水だ。
「どうしよう…。迂回して帰らないと。」
私が違う道から帰ろうとした次の瞬間、奇跡を見た。
突如現れた巨大な波が、瞬時にマンションを覆った。
今のは…水属性の魔法?
「凄い…。」
これだけの魔法を撃ち出す技量も凄い。それに、あの魔法からは意思を感じた。
誰かを救いたいと言う明確な意思を。
その日の晩、ニュースであの火事の事が報道されていた。大波は炎だけを消し去り、マンションから逃げ遅れた人達には殆どダメージを与えなかったらしい。相当に細かい威力の調整、並の魔術師に出来る芸当じゃない。それに、
「綺麗、だった…。」
私は、あの魔法に魅せられてしまっていた。
「100人の命を救った英雄、か…。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます