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もしもオネェさんじゃなく、男の人だったら、警戒したと思う。


でも、それは全て、私に絶望を与えることでパパに復讐するため…。


「とにかく、あの男とはもう関わっちゃダメだぞ。とは言っても、悪いのは全部、パパなんだよ…。不倫しちゃったから…。本当にすまない、海果。」


謝らないでよ…。


私は、ママとパパが結婚してくれて、家族になれて嬉しいんだよ?


確かに不倫しちゃったのは、いけなかったと思う。でも、それでも私は…。


「…好きになっちゃったんだもん、仕方ないよ…。パパの前の家族には、申し訳ないけど…私は、パパと家族になれて嬉しい。」


「…ありがとう、本当にありがとう…。」


勇里さんとはもう、連絡を取らないほうがいいよね。


私を捨てる予定なんでしょ?幸せは全部嘘だったんだから。


寝る前、ベッドの中で私は、勇里さんに最後のメールを打つ。


ちゃんと別れを言わなきゃ。


【今までありがとうございました。】


ピコン


早っ!既読付いたと思ったら返事まで来た。

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