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「…復讐って、言ってたよね?それって、どういう事?」
私の問いに、パパはどこか言いづらそうにしている。
「…実は、10年前にな。」
ポツリと、話し始めた。
10年前、パパには妻子がいた。ママはパパが既婚者だと知りながらも、パパを愛してしまった。
「…不倫、してたって事?」
「パパは、家庭がありながらも、ママと海果が何より大事になっていたんだよ。愛してしまったんだ…。」
私たちと家族になりたくて、パパが選んだ道は妻と離婚する事だった。
「彼女は精神的におかしくなって、死んだんだ…。」
パパの不倫を知った妻は精神的に壊れ始めた。そして離婚後、妻の精神は完全に崩壊し亡くなったと言う。
それをきっかけに、息子である
そして、娘である私に近付き、幸せを与えてから捨て、絶望する私をパパに見せる事で、復讐を果たそうとした…。
「女装好きとか、恋愛対象は男で、女性になれたらという憧れも全部、嘘なんだよ。自称オネェと言っていたのも、女の子である海果に警戒されないためだろう。」
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