10.衝撃的な事実
p56
涙は止まらなくて、枕を濡らしていく。
全部、本当に嘘だったの?全部、全部…。
ずっと、騙していたの?
私はただ、声を殺して泣いた。
コンコン…
「
私は涙を急いで拭う。
「…うん。」
パパが部屋に入ってきた。
「海果に話さなきゃいけない事がある。聞いてくれるか?」
床にあぐらをかいて座り、真面目な顔をして私を真っ直ぐ見る。
「うん。聞くよ。その前に私も聞きたい事があるの。」
「なんだ?」
「あのね、パパが公園で勇里さんと話してるの、聞いちゃった。勇里さんと知り合いっぽかったけど、そうなの?勇里さんは、本当は勇一って名前なの?」
全部知りたい。だけど、直接勇里さんの口からは聞きたくなくて。
「…聞いてたのか。実は、パパな、その男の事を話そうと思ってたんだ。勇里って、名乗ってるのか。あいつは詐欺師だ。だから別れなさい。」
…詐欺師。じゃあ、勇里さんの優しさは全部嘘だったんだ…。愛してるって言ってくれた事も全部。
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