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「娘に幸せを与えてから捨てる。」


そう言った彼の瞳はとても冷酷。

 

どう…いう、事?理解が出来ない。頭の中は真っ白状態。


「絶望した娘の姿を、てめぇに見せるためにな。」


私は今、勇里ゆうりさんとパパの会話を聞いてるんだよね?


それなのに、なんで勇里さんが居ないの?確かにパパと会話してるのは勇里さんだ。勇里さんだけど、話し方も目つきも、全然違う。


「うちの娘は関係ないだろ!もう2度と近付くな…っ!」


「関係ないって?んなわけねぇだろ。」


勇里さんは、何処?

私の知ってる勇里さんじゃない。ねぇ、あなたは、誰?


勇一ゆういち、頼むから、もうやめてくれ…。」


ゆう、いち?


パパは、この人を知ってるの?


名前は、勇里さんでしょ?違うの?


もしかして、騙されていた?


幸せな日々は全部、嘘だったの?ねぇ。


涙が溢れて、私は走って家に帰った。


「海果おかえり〜。あれ、パパは?…って、どうしたの?何かあった?」


泣いてる私を見て、ママが心配そうな顔をする。


「もう寝るから…っ!」


バタンッ!ドアを閉めて枕に顔を埋めた。

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