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これは、壁ドンというやつでしょうか?


「本当、今すぐ連れ去りたいわ。」


そう呟いて、私をぎゅっと抱きしめる。


海果みかちゃん。本当に好きよ。愛してるわ。周りとか、どうでもいいわよね。こんなにも愛し合ってるんだから。ねぇ、近いうち、アタシの家に遊びに来ない?」


優しい目で真っ直ぐ私を見つめて、力強く抱きしめるから、この身体は熱を持つ。もっと、触れて欲しい。欲張りになっていく。


「行きたい。」


「ふふ。決まりね。土曜の昼間とかどうかしら?」


「うん、決まり!」


指を絡めて、ぎゅっと強く握った。離れないように強く。そして、勇里さんの吐息がふっと顔にかかって、唇が近づいていく。


「愛してるわ、アタシの海果ちゃん。」


「私も、愛してる。」


愛してる。なんて照れちゃうね。でもすごく嬉しくて、幸せだよ。


何度も交わした口付けが、私を欲張りにする。


少し離れたと思ったら、またすぐ深い口付け。息を忘れてしまいそうになる。


「バレッタ、いつも身につけてくれてるわよね。嬉しいわ。」


「すごく気に入ってるから。」


「ふふ。ありがとう。アタシも、このピアス、お気に入りなの。寝る時とお風呂以外は外してないのよ?」

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