p35

ハンドルを握り、車が走り出した。


爪も水色で綺麗。


「私もお花の匂い好きだよ。心が落ち着くよね。」


「あら♡分かってくれて嬉しいわ。」


「あ、そうだ。これ。」


信号待ちの時、私はバッグから小さな箱を取り出した。


「アタシに?」


「うん。いつものお礼の気持ちです。良かったら。」


星のピアスを見て、勇里さんは嬉しそうに笑った。


「あら♡すっごく可愛いじゃないの。早速つけなくちゃね。ありがとう。嬉しいわ。」


喜んでもらえた!良かった〜。


「お昼ご飯、作ってきたの。簡単なものだけど。見晴らしのいいとこで食べましょ♪」


星のピアスを早速つけてくれて、お弁当の入ったバッグが置いてある後部座席を指差した。


「お弁当⁈めっちゃ楽しみ!」


海沿いを走る車。窓から綺麗な青が飛び込んでくる。


空は晴天で太陽が元気に笑ってた。その光が海に輝きを与え、この目に映る景色は絶景。


「すごい!綺麗〜。」


窓から入る風が心地良くて、私は大きく息を吸った。


「気持ちいいでしょ〜。」


「うん!最高!!」


バッグからケータイを取り出してカメラを起動させる。


「ケータイ落とさないようにね。」


「うん気を付ける!」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る