第9話
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パーティー1週間前 ひかりの自宅
ひかり「あんたー!ますますモテるじゃない!芸能人なんかになるから!」
アキ「モテてないよ、ひかり。」
ひかり「なによ!しってんのよ!アキが今まで5人のイケメンと付き合ってきたの!」
アキ「なんでイケメン限定なのよ。しかも5人じゃなくて4人!」
ひかり「まあイケメンは4人ね…最後の一人は…まあイケメンではないか。」
アキ「イケメンではないね」
ひかり「元幼馴染だもんね」
アキ「あいつは…彼氏としてカウントしてない」
ひかり「なんでよ!!キスはしたんでしょ?」
アキ「…キスはした。でもエッチしてないもん」
ひかり「キスしたんだから彼氏でしょ?」
アキ「…キスだけじゃね…だってあいつだよ!ただの幼馴染だよ…今も。これからも。」
ひかり「そっか…あんな優しい人…もったいない…」
アキ「あのキスは事故みたいなもん?」
ひかり「……そっか。それがアキの答えね。」
アキ「うん。」
アキは「今は隼人と付き合ってるし。」
ひかり「それ!!!!!!!!!!!!!!!!!ほんと羨ましい!!!!!!」
アキ「ひかり、ミーハー!!」
ひかり「だってぇぇぇ~」
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【アキ】
私はこういうパーティーは営業としか思わないことにしている
以前出会った隼人はアクセサリー
1年で5000万貯めるために必要なジュエリーみたいなもんだ
今回狙うは御曹司
あの最大手広告代理店会長の孫、篠宮セイ
18歳の子供だ
孫にメロメロのおじいちゃんなら
孫の言うことはなんでも聞くだろう
ドラマ、CMなんでもだ
それを狙う女優は多い
私もその仲間入りだ
さあ、あの輪の中へ
?「アキさんよ!」
?「綺麗だ…」
?「あんなのが嫁だったらなー」
?「家にいるときはどんななんだろうなー」
?「パリコレ、KKの専属だもんな…次は女優か?」
雑音は気にしない
私はあいつを利用するだけ
錚々たる女優をかき分けたどり着いた
セイ「…アキさんですか?」
アキ「そうです。アキです。」
セイ「綺麗だ…」
群がる女優が散っていく
モデルで鍛えたとびきりのスマイルで
セイの心を乱した
アキ「お会いできて光栄です。」
セイ「……」
とぼけた顔で追い討ちをかけた
アキ「セイさん、このあとお時間ありますか?」
セイ「僕の名前…」
アキ「女性たちが噂をしてたものですから。」
セイ「そ…そうですか…いやぁびっくり…まさかここでお会いできるとは…」
アキ「私も…」
あなたが来ると知らなかったら
私はここにいないわ
狙いはあなただけ
ハルのために
私はなんだってする
アキの心は決まっていた
二階のバルコニー
セイ「テレビで拝見してました…パリコレも現地でみていました。」
セイは子供みたいに顔を赤らめていた
アキ「ありがとう、セイさん。なんだか堅苦しいのは嫌い!私たち一つしか違わないのよ。」
セイ「え…うそ…!アキさん大人っぽいから…僕はいつまでたっても子供だ…」
セイは寂しそうな顔をみせた
アキ「だから、敬語はやめよ?」
アキはあの隼人を打ち抜いた微笑みを彼に向けた
ウブなセイはいとも簡単に心を射抜かれた
セイ「あの…デートしてくれないかな?」
アキの口角があがる
まるでこの時を待っていたかのように
アキ「…はい。どこに行きましょうか。」
セイ「…っやった!!!!」
これでハルを救える
私がもう一度春の桜の下を
心地よい春風を感じられるように
私が守る
セイとの出会いもまた
アキの運命を左右することになる
利用するために近づいただけの隼人、セイ
このグレーな気持ちで近づいた安易な決断が
あんなことになるなんて
誰も分からなかった
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