第4話
表参道ヒルズ近く
半地下のコーヒー屋さんには50代から60代の男性がポツリといるくらいだった
店内の一番奥の椅子に腰を掛ける
和田「…きちんとした話をしよう。」
あんなに覇気のあったひかりが和田の真剣なまなざしに怖気づいていた
アキ「お願いします。」
アキも真剣そのものだった。
アキの真面目さが表れたようだった
和田「僕は新世代の女優を世の中に送り込みたいと思っている。」
突然こう切り出した
和田「君にはその目がある。」
ポカンとするひかり
ひかり「どういうことですか…?」
和田「アキさんの聡明で慎まやかなそのまなざしは現代の女の子としては珍しい。鋭くも優しい。女優に向いている目なんだ。」
ダンディな和田さんが19歳の若者に必死に将来を説く姿は大人として格好よく見えた
アキ「私の……目?」
和田「そうです。その目です。自慢じゃないが、僕は今まで何人もの女優を輩出してきた。」
ひかり「それは…ちなみに…??」
和田「相原愛梨、葛原メイ、数原ティアラ、米浜海荷、レイ」
錚々たる面々だった
誰もが知っているモデルや女優だった
和田「彼女らに共通していることがある。わかるかい?」
下を向きながらもアキに尋ねるように眉をあげた
アキ「はい。彼女たちはみんな、デビューして1年そこらでその業界でNO.1になってる。そしてその後、女優としてスターになってますよね。」
アキは淡々と述べた
和田「そうです。さすがです。僕の目に狂いはなかった。」
和田「アキさん。僕と組みませんか。あなたを芸能界のNO.1に押し上げて見せる。」
自信満々のその顔はアキの脳裏に深く焼き付いた
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アキは自宅に戻り
3日後返事をすることにしていた
1週間経ってしまっては
どんな結果になろうとも
決断が後悔へと変わるような気がしたのだ
迷わないうちに返事をしようと決めた
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まさか
次の日に
お母さんの口からあんなことが伝えられるなんて…
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母「ハルの心臓はもって2年なの。」
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母の言葉は、アキを芸能界へと誘う決定打となった
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