第2話

ハル12歳


アキ19歳














お母さん「アキ、よく聞いて。」



アキ「なに?!大学遅れちゃう!早く!」



お母さん「いいから座りなさい。」



アキ「なによ!それよりカウンターに置いといたピアスどこ?」



お母さん「アキ!座りなさい!」








アキの手が止まった






はじめてお母さんに怒られたのだ








アキ「…どうしたの…」




お母さん「座りなさい。」




アキ「はい。」




お母さん「良く聞きなさい。ハルが入院してから3日だけど、病状が良くないの。心臓が…心臓が弱ってるらしいわ。」




アキ「え…」




お母さん「ハルの心臓はもって2年なの。」




アキ「しなよ!手術!できないの?!」




お母さん「したいわ…でもねアキ。お金が…シングルマザーにはだせない額なのよ」




アキ「……うそ…」




お母さん「ごめんね…ハル…アキ…」












決して裕福ではない家庭なのは分かっていた



女手一つで子供2人を育てる



それがどんなに大変なことかなんて



12歳の少女には分かるよしもなかった





 







先に大人になりつつあったおねえちゃんは



お母さんの言うことを深く理解した



誰かを助けるために



あんなに優しいおねえちゃんが



心をへし折られるまで戦わなくてはならなかった



世の中は甘くなかったのだ

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