5話 悪夢が晴れた未来へ
それからクラーフが主だって、デューアの崩壊を性急に進めた。まずは天華全土の大人に、この悪行を知らしめ、デューアに大バッシングを向けた。
そのおかげで、デューアは表向きにも崩壊の道へと進まされたのである。
そして天華政府が残った大人達がデューアを再興させない様にと、非人道的な事を繰り返す技術とシステムを没収した。更に
「我々人間は進み過ぎて、自らの領分を見失っているのではないか。この高度な技術は、今の我々で本当に制御出来るものか? 我々は、強欲になりすぎているのではないか?」
と、高度な技術との付き合い方を改める事が決定された。
勿論、一つの組織が技術力を付けすぎる事も裁量にかけられている。
デューアの崩壊は、天華を大きく変えるきっかけとなったのだ。
世界事情はそんな感じで進められているけれど。ナイトメア実験に使わされていた存在はどうなっているのか、戦士としてセクタ・ランドに集められた子供達はどうなってしまうのか。
そこら辺が気になる所だと思う。
まず一つめは、天華政府が監視する高度技術・高度医療団の元で治療する事になった。まだこれからの段階で、治療も始まったばかりだからどうなるのかは分からないし、確実に戻れるものなのか不明だけれど。皆、完璧に元に戻ってくれたら良いなって思う。
そして二つめは、戦士という役職を解かれ、皆、普通の子供達に戻った。
とは言え、僕達は大人になる為に学ばなきゃいけない事が沢山ある。身につけなきゃいけない教養と植え付けられた常識の改新が多いのだ。
だから天華政府がデューアの本部基地を子供が子供らしく生きる為の施設へと変えさせた。学校の様であり、家のない多くの子供達の為に我が家の様な存在にもなっているのだ。
勿論、親元に帰る子も中には居るし、家とセクタ・ランドを行き来する子も居る。
今までずっと皆と揃って、同じ道を歩まされていたけれど。崩壊して初めて、子供達は自分の手で道を作り、自分の意志を持って歩み始めているのだ。
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