第2話 ナイトメアの蔓延る世界
子供の想像力はどこまでも豊かで、端という限りがない程に無限だ。そして子供達は麗らかな光の様に、純真無垢である。
だからこそ、彼等が唯一の攻防手段として前線に立つのだ。
如何せん、彼等の敵は悪夢そのもの。人間達からはナイトメアと呼ばれ、悪夢の権化として人を……いや、世界を闇へと引きずり落とさんと力を振うのだ。
始めこそ、人類はナイトメアに淘汰されていたが。デューアと言う対ナイトメアの組織が設立されると、ナイトメアと人類の攻防は拮抗し始めた。
デューアは、輝く未来と明るい思考に満ち満ちた子供達に目を付け、彼等の豊かな想像力と明るいエネルギーを活力とした「レイティア」と呼ばれるロボを作ったのである。
つまり子供達は戦士としてレイティアを操縦し、ナイトメアと戦っているのだ。
無論、大人も戦士になれる。
しかし子供達のエネルギーの方が圧倒的であり、それらを動力としているレイティアの操縦も数段上手いのだ。
だからこそ大人達は戦士ではなく、後方支援と言った裏方に当てられる事が多いのである。
では、レイティアの活力となるエネルギーを上手く生み出せず、想像力が乏しい子供が居たらどうするのか?
デューアを組織する大人達の決議の元、
「戦える可能性が零になった訳ではない。周りのプレッシャーからも解放され、本来の力が芽生える様になるであろう」
大人達からそう言い伝えられ、大人達の居る庇護地へと出立するのだ……が。
そこに送られた子供が戦士として、戻ってくる事は一度もない。
故に、子供達は庇護地へ送られる事を「スクラップ」と言うのだ。そしてスクラップにならない様に必死に務め、スクラップとなった子供に対しては烙印を押して送り出す。
「何の役割も果たせぬ子供」
と、言う残酷な烙印を。
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