自白のすすめ
直也は腰後ろに回した島川の両手首を
ナイロン樹脂製の結束バンドで縛った。
丈夫で引張強度が高いこのバンドは
大人があがいても外せるモノじゃなく、
逃れるには切るしかない。
「まぁ、こんなモンしなくてもこのイケメンには 抵抗する元気もねぇが、念の為だ」
直也はそう言うと、勇次に島川の身体を
預けた。
「銃、持ってるな?」
鉄男が勇次に聞いた。
「はい・・・・」
リボルバーはズボンの後ろポケットに
挿していた。
「ヤバくなったら使え」
「・・・・」
勇次は島川の腕を掴み、筧の元へと
歩き出した。
「大丈夫かよ、あいつ?」
直也が兄に聞いた。
「いつでも飛び出せる様にしとけ」
「は?」
「あの野郎が恋人だけで満足する訳ねぇ
だろうからな」
「だな」
直也は拳の骨を鳴らしながら息巻いた。
「待たせんじゃねえよ」
筧は島川を伴いやってきた勇次に言った。
勇次は筧と2メートルほどの距離を取り
対峙した。
筧は血だるまボロボロで項垂れた相棒に
目をやりー
「・・・・よくもやってくれたな」
勇次に視線を移すとー
「まずはキヨを寄越せ。そしたらすぐにバッグをそっちに投げてやる
冷たい目で言った。
「その前にー」
「?」
勇次はズボンのポケットから
ガラケーを出した。
カメラを起動し、動画モードにするとー
「言ってください」
「あ?」
「俺に身代金の強奪をやらせた事。
賢君の家を襲ってお金を奪った事を」
筧は何か考えー
「いいぜ。カメラ、こっちに向けろよ」 「・・・・」
勇次はガラケーをゆっくり筧に向けた。
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