第2話 家には蜘蛛がいる
「なんじゃこりゃ!!??」
その光景を見て絶句した。なんとなく、その糸が霊力の塊であるということは理解できた。てか、なにこれ?家神社なのに呪われてるの?これ?
なんて考えていると遠くに蠢く何者か。
「いッ…。」
思わずそんな声をあげる。なに?あれ?蜘蛛?でも上半身は人間の女の子みたいな…本当になに?
「ん?」
向こうがたと目があった。しばらく訪れる静寂。その後。
「「ぎゃぁぁぁああぁぁあああ!!!!」」
―――――なぜお互いに叫び声をあげる。
しばらくして、2人とも落ち着きを取り戻す。
「え、えと…彰くん…だよね?視えるようになったの?」
「え、ええ…まあ。あの、あなたは…?」
「あ、私一応ここの神社の神様やらさせてもらってます。
「や、やつ…め?」
「難しかったらアカリで構いません。それで…どうして急に私の姿が…?」
そう聞いてくるアカリに対して、ことの経緯を説明する。
「なるほど、あの祠…壊しちゃったんですね?」
「んまあ…最終的に変なおっさんが祓ってくれたみたいだけど。」
「変なおっさん…ですか…その方に視えるようにしていただいたというわけですね。」
「まあ、そうなる。」
「彰くんはどうしたいですか?」
「ど、どうしたいというと?」
「今まで彰くんって一度も幽霊だったりとか視たことないじゃないですか?あれって彰くんのチャンネルが一切合切私たちと交わらないところにあったからなんですよ。」
「な、なるほど?」
「逆に言えば私たちからしてもそこら辺の小石と変わらない程度の認識…つまり気にかけもしないような存在だったんです。」
「待って、いやな予感がする。」
「そうですね。そのいやな予感の通り、今日無理矢理チャンネルを合わされてしまった。しかもこれ相当強い人にやってもらいましたね。私じゃどうにもできません。」
「神様…?」
「こればっかりは本人にとってもらう他ないですね。ということで、選択肢は2つです。このまま怪異と共に生きるか、それとももとに戻してもらうか。」
「怪異かぁ…ぶっちゃけ憧れはありますね。」
「下手したら死にますよ。ほら、私も神様ですし。」
そう言うと器用に糸を操る。
「死ぬ気であのおっさん探します。」
「そうしたほうが懸命でしょうね。彰くんにはまるで力がない。」
そんなことをドストレートに言わないでください傷つきます。
「まあ、協力はできますから安心してください。さてと、これは当代にも報告せねばなりませんね。」
「当代って…親父?」
「そうです。」
「…親父?」
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