第11話 エピクロス
エピクロスという古代ギリシャの哲学者がいました。
エピキュリアンとかいう言葉は、たまに耳にすることがあるかもしれませんが、その元になった人ですね。
エピキュリアンていうのは、日本語では快楽主義者と言われるようですね。
快楽主義者というと、酒池肉林とか贅沢三昧とかそういうイメージになってしまいますが、実際のエピクロスはそういうのとは真逆の人だったようです。
エピクロスは確かに人生は快楽を求めるべきと言っていたようなんですが、その快楽ってどういうものかが問題です。
エピクロスが言っていた快楽というのは、苦痛のない状態というのです。
ですから、発想としては、気持ちのいいことを求めるんじゃなくて、不快なものをできるだけ排除するというものです。
そうなると実際の生活はどうなるかというと、ものすごく質素のなるのです。
実際、エピクロスの生活はそういうものだったようです。
なぜそうなるかというと、不快なものっていうのはだいたいが欲望についてくるからです。
例えば、贅沢な暮らしをしようとするとお金が要ります。
そうなるとそれだけ嫌な仕事もしないといけないでしょう。
人付き合いをすれば、嫌な人も必ずいます。
つまり、なにかすれば、そこには必ず不快な分子が潜んでいるのです。
ですから、必要最低限のものや付き合いで生活すると、不快なものは極力減らせるということになります。
エピクロスが求めた快楽というのはそういうことだったようです。
でも、これはいまの時代でも言えることでしょう。
仏教なんかも同じようなことを説いていますよね。
欲望っていうのは、求めたらきりがないので、適当なところで芽を摘んでおいた方が、結局は楽なのです。
まったくの欲望なしに生きていくのは事実上無理でしょうが、それを必要最低限に近づけることはできると思います。
そうすることで、かなり日々の生活から苦痛はなくなるのではないでしょうか。
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