第9話

バーに着くと、従業員のヒナタとリョウがいた。



「お疲れ様、翠ちゃん。」



「お疲れ様、2人とも。今日も頑張ってね。」



「ありがと、まだ営業時間まで時間あるしなんか飲むものでも作ろうか?」



「うん、ありがとヒナタ。じゃあ…寒かったしココア飲みたい。」



「おーけー。」



私は2人と会話をしつつ、湊に肩を抱かれたままいつもの席に腰をかけた。



湊が私専用の席として用意したここは、照明が落とされていて、一般客からは判別がつかないようになっている。



でもカウンターからは微妙に見える位置で、私は湊の帰りを待つ時はいつもこの席で時間を潰す。



「湊、家に帰ってからよく寝れた?」



「あぁ、それなりに。」



大丈夫かな…いつかほんとに睡眠不足で倒れそう。



「無理しないでね。」



「わかってるよ。大丈夫。」



心配をする私を宥めるように私の頭を撫でる湊。



でも…やっぱり心配だよ…。

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